柊家のもう一人の天才長女【弍】 (ページ17)

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六十三．ページ17

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甘い蜜の香りの血がﾎﾟﾀﾘとコンクリートに浸る

真白な肌に牙を立てられ、吸われて

体が敏感に反応する

『_______________…ｯ！』

動いて抵抗しようとしたが

肩を押さえつけられていた

血を吸われているせいか力が出ない

ウルド｢…ｯﾁｭ_____________ｼﾞｭﾙｼﾞｭﾙ｣

どんどんと体内の血が奪われて

『はな、……せ』

吸血鬼は首筋から止まらない血を舌で舐める

ウルド｢…………確かにあいつの血だ｣

ハンカチで口の周りを拭き取る

私は首を抑え

彼を睨んだ

『調子に乗るな吸血鬼』

ウルド｢調子に乗っているのはお前ら人間だろ｣

ウルドは私の顎をクイッとあげた

『ｯ』

ウルド｢何故人間は禁忌を犯す｣

『勝つ為ならどんな手段も選ばない』

ウルド｢欲深い人間め｣

『_______________…ウルド･ギールス』

彼女は立ち上がって

『私が一番嫌いなのは、私を惨めに扱うこと』

ウルド｢…？だったら何が出来る武器なしで｣

『武器なしじゃ人間は何も出来ない…確かにそう、だけれど私は違うわよ吸血鬼』

彼女の手からは真っ黒な炎が燃え上がっていた

ウルド｢何だそれは｣

『この世が誰も成しえなかった禁断の力､代償の一つと言ってもいいかしら』

ウルドは剣を一振振った

周りの建物は崩れていくが

ウルド｢何？｣

『そんなんじゃ当たらないわよ…それと…』

彼女は脚で吸血鬼を蹴飛ばした

『人間じゃない力みたいでしょ』

ウルド｢ｯ…………矢張りこの力はレイネの｣

真っ黒な炎に身とわれし彼女は何処か悲しそうだった

『私の身体はどんなに傷つけても、どれだけ刺しても心臓を潰しても私の身体は…____________』

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それが代償

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