犬派なんだね伏黒くん

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『伏黒、私死ぬかもだって』





その日の稽古終わり、久しぶりに2人でシロとクロの散歩をしがてら土手に行って話した





「ああ、聞いてた」




関東とは言え冬の夜は寒いね。白い吐息がハッキリ見える




『…どう思った？』



「…」



『仲良くなってから二ヶ月くらいしか経ってないけどさー、毎日会ってればさすがのクールな伏黒でもなんか思うことあるでしょ』




「…別になにも心配することねえだろ
あの人がなんとかしてくれる」



『まあそれもそっか。 悟先生最強だもんね』



「分かってんなら聞くなよ」





『…うん。ごめん』







初めてできたちゃんとした友達だからこんなこと思うのかな




そうだよ、こんなに誰か1人と二ヶ月なんて長い時間過ごしたことなかったから。



恋とかそんなんではない





『…伏黒にはさ』





「？」






『私が死んだら一番泣いて欲しいなって思って』









「…なんだよそれ」









『伏黒の泣き顔とかレアじゃん』




「人をカードみたいに言うな」


『間違いなくSSRだね』


「…絶対泣かねえ」



『泣いてよ』









「ていうか…まず死なせねーよ。俺が」








だからくだらない冗談やめろ、って冷たく言われる




冷たいけど暖かい






『……………………ありがと。』








「、は？お前何泣いて…ハンカチは？」



『そんな女子っぽいの持ってるわけないでしょ…』



「あー...ったく...これ使え馬鹿、」



『ん〜...』





ティッシュ渡してくれるとか私より女子かよ。



死ぬの怖いって思っちゃったのもどうせ気付いてくれてあんなこと言ってくれたんでしょ？



私のことなんでも分かった気になってる？




たかが二ヶ月の仲だっつーの。




『ほんとムカつく…』



「は？？」



『…なんでもない。

てかカイロとか持ってないの？寒い』



「…持ってねえし持ってたところでお前に渡さねえよ」



『はあ？なんで』




「なんか腹立つから」



『うざ』






いいもんね、シロとクロにあっためてもらうから



すっかり私にも懐いた二匹の名前を呼ぶと駆け寄ってきてくれて、抱きしめる





『あったかーい…』





「馬鹿力で絞め殺すなよ」





『あんたは私をなんだと思ってんの』









最初は絶対仲良くなれない部類だと思ってたのにな


なんでだろう

今は伏黒といる時が一番落ち着く







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