13：溶けた氷 ページ18
屋上に沈黙が流れる。
涼しいそよ風が頬を撫でる。
水たまりで跳ね返った日の光が眩しい。
カラ松に貸してもらった傘には
少し雨水が溜まっている。
ブレザーもぐしょぐしょに
濡れてしまっている。
自然的なのか人工的なのか
よくわからないこの場所で、
僕はカラ松と二人、雨に濡れたままだ。
どうしよう。
静かな空気の中、僕はそんな事を考えていた。
「カラま………」
「一松」
ふっ、とカラ松の名前を口にしてしまった。
…途中、僕の名前で遮られたが。
静寂は切り開かれた。
怒られるだろう。
憎まれるだろう。
嫌われるだろう。
そんなの承知だ。
けど、けど……………………………
あれ？
視界がかすむ。
目から熱いものがこぼれ落ちる。
顔が、体が、心が、熱くなる─────
その時
ふわっ、と。
青い腕が僕を包んだ。
パーカーが濡れていて、
ちょっと冷たかったけれど、
カラ松の胸は、暖かかった。
涙のせいで、カラ松が振り返ったのにも
気付かなかった僕。
不意打ち、という表現は
正しくないのかもしれないが。
「……一松。」
「………ぐっ…………なっ……なん、だよ…………ひっ」
声が震える。
うまく喋れない。
何言ってんだ、僕は。
「すまない。早く気付けなくて」
……………なんで、なんで…………
「な、んで、………………
カラ松、があやま、るの……………
僕……………カラ松…………を巻、き込んで───」
「巻き込んでないぞ。
巻き込まれたなんて、思う訳ないさ。
俺たちは兄弟で、一松は俺の大事な弟だ。
守りたいと思ったんだ。一松を。
明らかに様子が変だったの、
気付いていたんだ。
だが、呼び出しなら、
邪魔はしない方がいいかと思って………
本当なら、俺がもっと早く気付いていれば
一松も、十四松も…」
「……………やめろって、そう、いうの……………」
違う。
違うんだ。
僕にはもったいない言葉が溢れてるんだ。
何の役にも立たなかった僕を、
『大事な弟だ』って、言ってくれた。
『守りたい』って、言ってくれた。
言葉一つ一つが、暖かいから。
「……………………………………………うぅっ……
………うわぁぁぁあぁあぁぁぁ……っっ！！！
カラ………………………まつ……………………っ…………ぅっ
カラ松………！！！！………カラまつぅぅっ………
うあぁぁぁぁぁぁぁぁっっ………………っ！！！」
屋上で、カラ松の中、
子供のように、僕は泣いた。
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Zefiro(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございますm(_ _)mパスワードの再発行ってできませんでしたっけ？(´ー｀A;) 返信遅くなってすみません！ (2017年10月20日 9時) (
レス) id: 6459993cea (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - Zefiroさん» 編集頑張って下さい。私はパスワードを忘れて仕舞いましてですね。編集出来ない状態ですねw (2017年8月3日 0時) (レス) id: 194c6be8c9 (このIDを非表示/違反報告)
Zefiro(プロフ) - 若葉さん» お読みくださりありがとうございます！少しでも感動していただけるなんて、作者冥利に尽きます｡ﾟ(ノ∀`*)ﾟ｡ チョロ松は、すいません(笑）今作はモブになってしまって(汗)更新は遅くなるかもしれませんが、最後まで頑張ります！コメントありがとうございます！ (2017年8月3日 0時) (レス) id: 1c6d40b638 (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - ベッドでずっとないてる………どうしよ、本当に涙が止まらない……チョロちゃん居ない？あれれ？あ、あれぇれぇぇ………(涙) (2017年8月2日 23時) (レス) id: 194c6be8c9 (このIDを非表示/違反報告)
Zefiro(プロフ) - Ririn☆さん» こんにちは！お久しぶりでぇぇぇぇっす！！(笑）返信遅くなってしまいスミマセン！ (2017年5月31日 17時) (レス) id: 1c6d40b638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Zefiro | 作成日時：2016年11月29日 23時
