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しゃぼん玉 ページ40
竜胆さんから、なんでしゃぼん玉と聞かれた時。
私は咄嗟に、煙草はハードルが高いなんて、意味のわからない回答をしてしまった。
来世はしゃぼん玉になりたい。
そうしたら、
生まれてすぐ、
飛んで、
飛んで、
割れるから、
風に吹かれて。
空気に触れて
割れるだけだから、
しゃぼん玉になりたい。
大きいしゃぼん玉がずっと飛んでいくのは限らずに
下へ飛んでいっちゃって割れちゃったり。
小さい子がずーっとふわふわしてたり。
見てて面白い。
「Aちゃん？」
寒いからと言って、竜胆さんは早々に部屋へ戻って行ったけれど、私はまだここにいたくて。
ここでしゃぼん玉を作っていたくて。
私の代わりに飛んでいて欲しくて。
『…蘭さん。？』
「寒くない？」
『はい、寒くなんかないですよ。』
寒くなんかない。
貴方がいれば、
どんな所でも、
どうしてか分からないけれど、暖かい場所へ変わってしまう。
不思議な人だ。
それでいて。
最高に素敵な人だ。
「俺もしゃぼん玉しようかな、」
『…どうぞ。』
2人でした、しゃぼん玉は
1人でする時も心なしか、
しゃぼん玉がずっと飛んでいたように感じた。
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作者名：しゃけ。 | 作成日時：2021年11月1日 19時
