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お仕事 ページ9

妹「ん、お兄ちゃん?」

かなり疲れてるみたいですね。ぼーっとした表情な上に、今にも寝そうな雰囲気です。

兄「お疲れ様、深雨。ほら、僕の背中に乗りなさい。帰りますよ」

妹「蔵持さんは?」

「安心しろ。この男がしっかりと任務を果たしておった。貴様らの仕事はこれで終わりだ。
 助かった。よく、我の代わりに此処を守ってくれた。礼を言うぞ」

妹「いえ。こちらこそ、無理を言ってごめんなさい」

もし、僕が深雨のように莫大な力があれば、、、そこを変わってあげれたのでしょうか。

妹「お兄ちゃん、ごめん寝そう」

兄「どうぞ、安心して寝ていてください。帰りましょう、我が家に」

寝息が背中から直ぐに聞こえ始めた。本当に、無茶をさせてしまいました。明日の仕事、深雨は休みにしてあげましょう。

兄「天乃玉王様、お世話になりました。私達はこれで失礼させて貰います」


「待て、情報屋」


他に何か用でもあるのでしょうか?


「貴様ら、なぜそんなに短命なのだ」


ドクンっ

兄「はい?どういう事でしょう?」

貴様ら、、、つもり僕も深雨も入ってるということ。どういう事だ?確かに、僕は小さい頃から無理をして長くは持たないと思う。でも、深雨は何故、、、


「お主ら2人からは、唯の人間とは違う気配がする。
 兄である貴様の方は、貴様と合わせた2人分の人間、、、そして妹のその女の方は其奴と2体の妖の影を感じる」


深雨に、2体の妖の影?
1体なら想像はつきます。多分、深雨の前世の猫又。でも、もう1体は?


「貴様は今すぐその妹の封印を解け。じゃないと、あと1年以内に死んでしまうぞ」


1年。たったそれだけしか僕は持たないのか。


「そして、妹のほうが厄介だ。近いうちに、其奴は妖に取り込まれてしまう」


兄「なっ!?なんで、深雨が、、、」


「気づいておらぬのか?まぁ、仕方はないか。見る方法を知らないからな。そうだな、眼をよく凝らせ。そして、妹の左手を見ろ」


眼をよく凝らせ?
あれ、なんか糸みたいなのが見える。


「赤い糸が見えるだろ?それは貴様ら人間の言う、運命の糸のようなものだ。それは、その人間の結ばれる筈の相手と繋がる。しかし、其奴は黒い糸も見えるだろ」


確かに。深雨の薬指からは赤い糸と、黒く歪んだ糸が出てる。


「その黒い糸が厄介なのだ。それは、妖と繋がっている。見たところ、かなり昔からのようだがな」


妖と!?
なんで、深雨が妖と糸が繋がってるんだ、、、

赤と黒の糸→←お仕事



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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2023年1月9日 20時

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