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お仕事 ページ5

妹「お兄ちゃん、おかしくない?」

兄「えぇ。大丈夫ですよ。それにしても、よく着物の方がありましたね」

蔵持さんと会った翌日、僕らは彼女の住んでいた街に来ています。ボクはスーツ、深雨は着物を着ています。神様に会いますので、きちんとした正装をするのが僕らなりのルールですから。

妹「これ、お姉様から去年送られてきてたの。相変わらず、姉様はセンスがいいよ」

兄「本当ですね。流石、姉上と言ったところでしょ」

妹「確か、この道を真っ直ぐなはずだけど、、、あ!あれじゃない、蔵持さんが言ってた神社」

兄「そうですね。気配も、このお守りと同じのようですし」

午前4時。人の気配は無いが、神社に近づくほど、神様の気配が強くなる。これは、威嚇ですかね。まだ誰もいないからと言って、このままだと一般人にも危害が起こりそうです。

兄「深雨、下がってて!」

妹「お兄ちゃん!?」

深雨は特殊だから、このままだと先に狙われてしまう。気性が荒くなってる。あまり、力づくでは行きたくないんだけどね。

兄「初めまして、僕達は貴方に用がある者です。どうか、お姿をお見せください」


「貴様らのような奴が、我に何のようだ」


どうやら、まだ話は通じるみたいですね。


「貴様、何故それをお前が持っている?」


姿を表した神は、金色の長い髪を持つ美しい見た目をされている。なんだか、伏見を思い起こさせますね。そして、彼はこのお守りに反応したということは、あの神が志野律という人間に化けていたのは間違えなさそうですね。

兄「僕達は、蔵持百華さんからの依頼のために貴方様の元へ来ました」


「百華だと?」


良い食いつき。さっきよりも雰囲気も落ち着いてきた。これなら、話をしっかり聞いてくれそうですね。

妹「ボクらは、情報屋さ。その、蔵持さんはボク達のお客さん。訳あって、志野律というヒトを探してるんだけど、知ってるよね?」

兄「お話をしましょう、天乃玉王様(名前、なんとなくで付けました)」


「我の名も、知られておるのか。よかろう、話をしよう」


まぁ、伊達に情報屋を営んでいないのでね。少しは、この神社と神様について調べさせて頂きましたよ。


「それで、貴様らは百華からの依頼のために来たのだろう。何故、今更志野律を探しておるのだ」


妹「まずは、貴方様が志野律だったと、お認めになるということで宜しいのですか?」


「あぁ。我は志野律という人間に化けることがある。そんな時に、あの娘と会った」

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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2023年1月9日 20時

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