お仕事 ページ4
志野律さん。どうやら、彼女の幼馴染のようですね。しかし、まだそれだけの情報ではなんとも言えません。
兄「あの、貴女がお引越しする前に住んでいた彼の住所は分かりますか?」
蔵持「いいえ。実は、毎日のように遊んでいたのに、彼の家に行ったことは一度も無くて。いつも、家から近い神社と公園のある所に遊んでいたんです」
神社、、、
兄「では、貴女のその時の住所でも大丈夫です。宜しければ、教えて頂けませんか?」
蔵持「あ、勿論です!」
妹「じゃあ、こっちの紙に書いてね。あと、その志野さんの写真とか、彼から貰ったものとかあるかい?」
蔵持「写真はありませんけど、、、そういえば、これはあります」
蔵持さんは、鞄の中から随分年季の入ったお守りを出してきた。
蔵持「引っ越す前に彼から貰ったものです」
妹「これって、、、」
成る程ね。志野律さんがどんな者か、大分分かりましたよ。
兄「こちらを、お預かりしても?」
妹「志野さんへの手掛かりとなるから」
蔵持「わかりました。お願いします」
兄「確かに、お預かりさせていただきます。では、2日後に。また、今日と同じ場所、同じ時間でお待ちください。その時に、情報を提供しましょう」
蔵持「2日!?たった2日で、彼の居場所がわかるんですか?」
妹「まぁ、一応賭けではあるよ。でも、必ず情報は渡すから。安心して」
蔵持さんは再度、僕達に頭を下げていって帰られた。さて、この志野律さんの所に行こうか。
妹「お兄ちゃん、志野って」
兄「あぁ。僕も深雨と考えてることは同じさ。この志野律さんは人ではない。そして、妖でもね。
この男は神様さ」
蔵持さんが持っていたお守りは、神主とか人が作ったお守りではない。これは、神様が作った物だ。普通のお守りよりも、神気に溢れ、御加護が強いからね。それにしても、神様が普通の人間に近づくのか?いくら蔵持さんが住んでいた地域が、もう信仰心の薄れてきた所だとしても、神様は妖などと違い人間を好まない者が多いのに。
妹「とりあえず、蔵持さんが遊んでたという神社に行こう?多分、そこの神でしょ」
兄「そうですね」
動き出すのは明日からにする。流石に、今のままだと準備も何もしてないですし。妖とかと違い、神様相手だと大変なことも多いですから。
妹「そういえば、ボク着物どこ置いたっけ?それとも装束がいいのかな?」
兄「そこも迷い時ですね。まぁ、帰って準備をしましょうか」
妹「は〜い」
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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2023年1月9日 20時