鴉の恩返し。 (ページ17)

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あれから、マルフィさんのお話を黙って聞いていた。

「私はその後、マレフィセント様のお供となって新たな人生を歩んできた。以前の烏のような扱いを受けず、美しい姿をくださったマレフィセント様のお側にいられる、これ以上にない幸せだった。」

「マレフィセント様に出会えたことも、今こうして幸せな日々を過ごせるのも、全てあの時助けてくれた少女のおかけだとわかった。彼女が助けてくれなければ今の私はいない…だから恩返しをしようとこの人間界へと訪れたのだ。」

マルフィさんは真剣な表情でこちらを見ている。

「そう、その少女は君、君なんだよA。」

「…えっ？」

「君があの時助けた烏は私なんだ。その恩返しを陰から返すつもりだったんだ。しかし、また助けてもらうとは思っていなくてだな…本当に頭が上がらない。」

「え！？いや！？マルフィさん！？マルフィさんだったんですか！？」

きっと感動をするべきなのだが、正直驚きが上回ってしまう。

何せ、この話自体信じるのも難しい話だ。
それに、
まさか、こんな形で烏と再会するなんて思いもしなかったのだ。