・ ページ23
私がそう言って手を差し出すとエリちゃんは通形先輩の後ろに隠れてしまった。まるで親子のように見える。
まるで私が誘拐犯にでもなった気分だ。
謎の罪悪感が私を襲う。
なんでジジイはバーちゃんをストーカーして罪悪感に襲われなかったのか。"愛"ってすごいな。私はそこまでできなさそう……いや、そもそもする必要ないか。
通形「ところでなんで雄英に？」
貴「貴重な個性なもんで、保護されました。」
通形「そりゃお互い大変だね〜」
貴「そうッスね〜」
私はそう言って先輩と笑っていた。
正直何が面白いのか分かんないけどこういう時はとりあえず笑ってろってお父さんが言ってた。お母さんはそう言う時は冷たい目で見ろって言ってたけどそれはさすがに可哀想だから。
それを見たエリちゃんは不思議そうに聞いてきた。
エリ「眼鏡の人、治してくれた人？」
通形「そうだよ！とっても優しいお姉さんなんだよね。」
エリ「やさしいお姉さん、……ありがとう！」
ドスッと私の胸に何かが刺さる音がした。
なんと言うか、胸がこうギュッとなって。あれだ、多分これを世の中では"可愛い"って言うんだと思う。私の中のトップは今までコーギー犬だったんだけど、それを
気づいた時には私はエリちゃんを抱きしめていた。
貴「……何か欲しいものある？私が買ってあげよう。」
エリ「…………え？」
相澤「Aアウト。」
貴「ぐげぇﾞ……捕縛布いつの間に…!!」
私はいつの間にか捕縛布に包まれていた。
窒息死しないギリギリを攻めてる相澤さんが憎い。
私はこの苦しみから逃れようと一生懸命もがく。
だが布が緩まることは無く私は半分諦めていた。
指に少しの切り傷が出来れば脱出可能なのだが難しい。
相澤「ごめんな、エリちゃん。」
貴「ｸﾞｪｯ……死ぬ！締まってる首締まってるから!!」
必死に逃げようとする私をエリちゃんは心配そうに見ていた。
エリ「お姉さん、大丈夫？」
相澤「大丈夫だ、通形たちと校内を回っておいで。」
貴「大丈夫じゃないから!!」
その後、私は持っていた針を指に刺して血を流し布の権限を奪取した。そして布から無事に脱出して、どこかへ行こうとするエリちゃんや通形先輩、緑谷君の後をついて行った。
ストーカーだのなんだの言ってくる輩は捨ておこう。私は緑谷君の頭をガシッとと掴んで浮遊しながら先輩達と合流した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楸 | 作成日時：2022年11月27日 0時
