【暗殺教室×文豪ストレイドッグス】On the day when it rains 。Anotherstory。 【裏切り】

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私はこれ迄のことを話す為、近くの椅子を手に取り座った。そして、膝の上に座る虹架。一方優雨は、中也の方へ。









「何訊きたいの？話せる範囲で話すよ」


「まず、あの日からの事」


「あの日？……嗚呼、2月24日の事ね」









学級委員癖が抜けていないのか、率先して磯貝が云った。









「あれからは入院してたよ。一週間位目ェ覚まさなかったって聞いた。目を覚ましてからは仕事に戻る為にリハビリの日々。仕事出来なきゃ棄てられるからね」


「そんな事っ」


「何、カエデ。嗚呼……本名の方がいい？」


「カエデで大丈夫。あの、続きなんだけど、ポートマフィアはAちゃんを棄てるような事はしないよ」


「何を根拠に」


「だって、云ってたよ！Aちゃんのお父さんが、森さんが！」


「は？」









お父さんがカエデに何か云っていたの？





周りを見れば、他の皆も知っている様子。
という事は、お父さんはE組に何か云ったのか。









「森さん、私達にAちゃんの事を伝えた時があったの。すっごい心配そうで、でも、私達の事をそこまで責めなかった。Aちゃんを裏切ったのは事実だけど、それまで一緒に居てくれた事に代わりないからって。それにAちゃん自身が、私達が殺されるような事は望んでないだろうって」









随分、ぬるくなったな。ポートマフィアも。否、お父さんがかな？




私の心情を悟って、野放しにするなんて。









「森さん、自分も悪かったんだって言ってた。自分も、Aちゃんを護れてなかったからって」


「……とんだ莫迦」


「……ポートマフィアの首領としては、切り捨てる事があるかもしれない。でも、父親として見棄てるなんて絶対しない。そう、言ってた」


「……そ」









彼の人も親莫迦だし、なんて自己完結するけれど、内心嬉しくて仕方無かった。
其の気持ちが出て、虹架を抱き締めた。





結婚する時も、子供が出来た時も、一番喜んでくれていたのは、お父さんだった。
私は、本当の娘じゃない。部下の娘だった。なのに、其れ程迄に私を愛してくれていたのか。




今度、何かしよう。日頃の感謝も込めて。









「お父さんの事は判った。教えてくれてありがと。……話戻すよ。次はえーっと、……卒業式の話ね」









人生で最後の卒業式の思い出を、記憶の中から引っ張り出す。

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