雨が278粒。 ページ6
「クッソ怠ィ。」
「中原君!ちゃんと勉強して下さい!!」
今日は私立の受験日。私立を受験しない私達は学校に来て勉強。公立一本の磯貝君も一緒である。
だが、中也さんは面倒臭いだのなんだの云い、勉強をしようとしない。挙句には私迄も巻き込もうとする。
「全く中原君!君は中原さんと一緒だと勉強しないので、教員室で勉強しますよ!!」
「はァ?!」
「磯貝君と中原さんは
云い終わらない内に、殺せんせーは中也さんと教材を抱えて教室から出て行った。
私と磯貝君の間には何故か気まずい空気が流れていた。
取り敢えず勉強しよっか、と声を掛けられ、うん、と答えた。
向き合う様な形に机を動かし、殺せんせーに渡されたプリントに取り組み出す。
互いに何も云わなく成ったので、シャーペンが紙の上を滑る音だけが聞こえる。
問題を解いている際、垂れて来る髪が邪魔で耳に掛けた。そして、思い出した。以前、中也さんが
視線を感じると思い、前を向くと、磯貝君と目が合った。だからなのか、彼が少し慌てた。
「如何かした?何でちょっと慌ててるの?」
「い、いや!何でも無い!……ただ、髪掛けてるの大人っぽいなって思っただけで、あっ、決してやましい事を考えてたわけじゃ…!!」
「ふふっ。そっか。そんなに慌てなくて善いよ?」
「誤解を生んで、嫌な思いすんのはダメだと思って…。」
磯貝君は本当に人の事を善く考えてるね。顔だけじゃなくて中身もイケメン。
仲間思いで優しい優しい磯貝君。
なのに何で私は助けてくれなかったんだろうね?嗚呼、私が仲間じゃなかったから?
哀しいなぁ。
「磯貝君は優しいね。」
「え?」
「仲間思いで、人の事を善く考えてる優しい優しい磯貝君。でもさ、其れ故傷付く人も居るよね。」
「中原…?何を…」
「ふふっ。」
嘲笑を浮かべ、私は立ち上がった。磯貝君の机の上に腰掛けて、足を組む。
そして、
「私は仲間?」
と、訊いた。
磯貝君は突然質問された事に驚いていたが、仲間だよ、と云った。
うんうん。そうだね、仲間だね、私は。
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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時