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雨が289粒。 ページ44

教室に行くと、案の定赤羽君が居た。彼一人が残って居た。







「何だ、名前か。」


「うん、私だよ。忘れ物しちゃってさ。カルマは未だ残ってたんだね。」


「名前待ってた。」







だろうね。其の為に私の鞄から筆箱を抜き取ったんだから。



真面目な私は取りに来ると考えたんだろうね。




知っていても尚、私は知らないフリをする。







「私?」


「うん。名前最近来てなかったし、来ても中原君にベッタリだったから俺に構って貰おうと思って。」






未だ関係が続いてると勘違いしているのか。あの時私はちゃんと"最後"、と云ったのに。







「御免ね、私急いでるからカルマに構ってる暇無いや。」


「そんなに中原君の方が大事?」


「勿論。私は中也さんを一番愛してるもの。」


「じゃあ、…名前があの時俺に言ったのはウソだったって事?」






好きって言葉はさ、と赤羽君は哀しげに云った。






「やだなぁ、本当の事だよ?」


「なら、良かった。」






赤羽君はゆっくりと私に近付いて、頬に手を添えた。接吻でもしようとしているのだろう。



私と赤羽君の距離がどんどん短く成っていく。距離が無くなる少し前で、私は赤羽君を制止した。







「何で止めたの。」


「逆に何で止めちゃいけないの?私、中也さん以外の人と接吻する気無いの。」


「は?」


「意味が判らない?まんまの意味だよ。中也さん以外と接吻したくないの。」


「俺の事好きって言ってくれたじゃん。」







うん、云ったよ、と笑顔を向けた。







「でも、あの時は、だから。今は好きじゃないよ。私、一途な人が好きなの。中也さんとかね。



それにあの時、私はちゃんと"最後"って云ったよ?君はそれを了承したじゃない。



勝手に勘違いしてたみたいだけど。


あの瞬間だけだと思ってた?なら、とんだ大間違いだよ。」


「騙してたって事。」


「勝手に勘違いしたのは"赤羽君"でしょ?」


「っ。…イイの?俺と名前がキスしたって中原君に言っても。」






嗚呼、中也さんが知らないとでも思っているのか。何共愚かな。あの瞬間にバレていた事に気付かないなんて。







「どうぞ、御自由に。云った処で何の意味も為さないから。」


「え。…まさか中原君、」


「うん、知ってるよ。あの時中也さん見てたの。」







お陰であの後大変だったよー、とおちゃらけ気味に云った。

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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時

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