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中也さんと距離を於いて早数日。
書類整理は姐さんの執務室で遣った。任務の時は中也さんと二人に成らない様に誰かを同伴したり、直ぐに帰ったりした。
傍から見ても判る位距離を於いた。
そうして居るからだろう、
「中原幹部と水嶋幹部補佐が別れた」
そんな噂が広まった。
だからなのか、告白して来る人が増えた。
然し、距離を於いて居るだけで、未だ交際している身。何れも断った。それに私は今尚中也さんが好き。其れも理由の一つだった。
「水嶋幹部補佐!」
「はい。」
後ろから声を掛けて来た人は、
姿は見て居なかったが、声は確かに彼女だった。
「如何かしましたか?」
「中原幹部と別れたんですか?!」
「えっ。……えっと、別れてません。」
「え、何時も以上に距離有りますよ?!あ、距離於いてるんですか?」
「はい、まぁ。」
其の侭別れたら善いのに、そう云う彼女の呟きが聞こえた。
掴まれているかの様に、胸が痛く成った。
「御免なさい。私、戻りますね。」
「えっ、水嶋幹部補佐?!」
逃げる様に、否、逃げた。其の場から。
駆けて居ると、廊下の角で誰かとぶつかってしまった。
「あ、御免なさい。」
「否、此方こそ悪かっ……名前じゃねェか。」
不運な事に、ぶつかったのは中也さんだった。
「名前、話が有る。今から善いか。」
「っ。…御免なさい、急いでるので。」
別れ話なのでは、と考えると中也さんの云う"話"を聞きたくなかった。
彼の脇を通り、又逃げようとした。だが、腕を掴まれてしまった。
「名前!俺、お前に何かしたか?何で避けるンだ?」
「離してっ。」
「云う迄離さねェ。なァ、名前何で避けるンだよ。」
「離してっ!!中也さんなんて大ッ嫌い!!」
云ってから我に返った。彼を恐る恐る見るが、帽子に隠れて表情が判らなかった。
私の腕を掴む彼の手が力無くダラリと落ちた。
「御免なさい、もう行きます。」
今度こそ私は逃げた。
姐さんの執務室に戻ると、其処に居た姐さんに泣き付いた。
以前の様に背を撫でてくれた。
「嫌いなんて云って御免なさいっ、本当は、本当は未だ好きです…!!」
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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時