兄妹度 105 ページ11
楽しくて楽しくて仕方無い。
きっとそれはお客さんも一緒。表情を見ればすぐに分かる。
嗚呼、今の私は誰よりも輝いているだろうか？
お客さんの目にもそう映っていて欲しいけど、泉ちゃんの目にも輝いて映っていたい。
『♪〜♪〜♪』
ほんと、つい数日前の気持ちが嘘みたい。
今はステージに居ることがこんなにも楽しくて、嬉しくて、幸せだ。
さっき、お客さんの中にパパとママを見つけた。鉄朗も一緒。近くにはバレー部のひとたち。
ママは喜んでいるようだった。何故なのか、それは分からない。
『泉お兄ちゃん』
『なぁに？俺の可愛いお姫様』
もう、泉お兄ちゃんって呼ばないよ。
それを伝えるのはライブが終わってから。私、泉ちゃんの本当のお姫様になりたい。
兄妹のような関係で手を繋いで歩くのは、これが最後。
歩いている時、泉ちゃんに尋ねた。楽しいか、と。泉ちゃんは笑みを零し、楽しいに決まってるでしょ？、と返す。
『さぁ、もう終盤だよ！最後までちゃんと俺たちだけを見ててね、お姫様！あんたらの為に歌も何もかも捧げてるんだからさ！』
キザったらしい台詞も、泉ちゃんが言えば様になる。
『Knights』のファンはみーんなお姫様。
でもね、『瀬名泉』のお姫様は私だけ。フラれるまでそう自惚れさせててよ。
『♪〜♪〜♪』
『♪〜♪〜♪』
私の隣で歌うは泉ちゃはアイドルそのもの。
二年前、歌が下手だったとは思えないぐらいに上達している。
彼はどんどん私の先を行ってしまう。どんなに追い付きたくても、追い付こうと頑張っても、全然追い付きやしない。
アイドルになったのは、泉ちゃんがなったから。それが一番の理由に代わりない。でも、まだ理由はある。泉ちゃんも知らない、私だけが知ってる理由。否、もしかしたら泉ちゃんは勘づいてるかもしれない。
「楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうね……」
それは何にでも当てはまる事。
あのクソ野郎の時だってそうだった。「家族」で居られた楽しい時間はあっという間に過ぎて、もう「家族」じゃなくなった。
嫌い、嫌いだよ。あいつなんか。ママも私も捨てたんだから。
「A、挨拶」
「ん？あぁ、うん」
もう曲も流れてなくて、私たちの番は終わってしまった。
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バンビ(プロフ) - タナトフィリアさん» コメントありがとうございます!!そんなに言って下さり、嬉しい限りです 最近はテストが近くて更新出来ず、申し訳ないです…… テストが終わり次第、更新するつもりなので、どうぞ宜しくお願いします┏○┓ (2017年11月28日 21時) (
レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白かったです！あんスタもHQも好きだけど、組み合わせるという考えは思い付かなかったので、「凄い！」って思いました！僕はこの作品に惚れました！更新待ってます！大好きです！ (2017年11月28日 2時) (レス) id: 3f49c62afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2017年10月13日 23時
