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夢主side






"君の周りがどう言おうと、武装探偵社は君を歓迎する"。






その言葉がどれだけ今の私の心を救ったか。





『えぐっ…あ"りがどうござびばす…』






そしてどういう状況か、私は今までの人生で一番というくらい号泣している。





乱「うわっ不細工な顔。」







急に酷いなこの人。泣くぞ泣いてるけど。






与「ほらA、ハンカチ。…っふ」








車を運転している与謝野さんが前を向きながら片手でハンカチを渡してくれた。優しい。
優しいけどカーブミラー越しに私の顔見てちょっと笑ったのは見えましたからね。







それから散々泣いた後、唐突に睡魔が私を襲った。
重くなる瞼の横で「おやすみ、A」と声がした。






ーーーーーーーー
乱歩side





与「あれ、いやにAが静かだね、どうしたんだい?」






乱「泣き疲れて寝ちゃったみたい。生憎ペンを持ってくるのを忘れたよ」






与「ははっ、顔に悪戯する気満々じゃないか
まあゆっくり寝かせといてやりなよ」




僕は「はぁい」と返事をする。






…さて、僕も眠くなってきたな…






なんてったって今は深夜だ。深夜。いつもなら寝ている時間なんだけどなあ…







僕はふぁ、と欠伸をしながらAの方を見る。






……それもこれも全てはこの少女の所為だ。






本当はこんな所まで来る予定じゃなかったけど、どうにもこの少女を見捨てる気にはなれなかった。






あの時彼女が発した«…誰か助けてー…»という気の抜けた声が僕には心の底からの悲鳴に聞こえたから。





______この世界を恐れて生きていた昔の自分に見えたから。





「はあ…」






気が狂うよ、全く。






「…こっちは君のお陰で寝不足だってのに幸せそうな顔しちゃってさ」






僕は微笑んでいる彼女の頬をむにっとつねった。彼女は『いひぇ』と間抜けな声を出す。







「…寝るかぁ…」






僕は隣で眠るAの肩に頭を預けた。








与「…ふふっ、二人共幸せそうに寝てる」







与謝野は眠る二人を起こさないよう、そっと静かに車を走らせた。

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冷たい人 - めちゃ面白かったです!更新待ってます! (2023年4月5日 9時) (レス) @page15 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - あぁなんか凄い…読んでると勝手に台詞が声優さんの声で脳内再生される…めろ。さんの小説大好きです!応援してます! (2023年3月7日 23時) (レス) @page15 id: 31b7e69329 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - わあ特異点な異能力だあ (2023年3月6日 5時) (レス) @page15 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 宇菜さん» え!?すごい偶然ですね!?そんな事言っていただけて嬉しいです頑張ります……!! (2023年1月29日 9時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 水瀬琥雪さん» イケメンドSならんぽさんが見たかったんです……ありがとうございます!! (2023年1月29日 9時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろ。 | 作成日時:2023年1月21日 0時

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