文ストの世界に来たんだけど……最高かよ。2

続き-2 ページ49

夢主side









中「…何で居ンだ手前」







中也さんがじとりと私を見る。









『見ての通り、捕まって死にそうなんですよね
はぁ困った困った』








私はあからさまなため息を吐く。









立「えッと………
中也さん、コイツと知り合いなんですか…？」







立原くんがしどろもどろに聞く。










中「……ああ……





…すまねェ、一寸席外してくンねェか」










立「え"！？
いやでも…」







立原くんが冷や汗をかく。







中「幹部命令な」









立「幹部命令！？」








『…oh…』









ち、中也さんまさか職権乱用常習犯か…？()







そして立原くん達は此方をちらちらと見ながら慌てて帰って行った。








中也さんはそれを確認して私の方へ向き直る。









中「…ほらよ、鍵」









中也さんが鍵を私に手渡す。









私はそれを受け取ってから器用に手を曲げて手枷の鍵をかちりと開けた。








私は手枷の外れた腕をぼーっと眺めながら云った。








『…思ったよりすんなり解放してくれるんですね』








中也さんに鍵を返す。









中「まァな」










中也さんは手渡された鍵を指でくるくると回す。










『残念、いい交渉材料有ったのに』









私ははぁ、とため息を吐く。







中「へぇ…？それはどんなだ？」







『え、見ます？良いですよ、ホラ』









私はスマホを取り出し、写真アプリから"お気に入り"フォルダを開いてとある動画を再生する。









そして前世で幾度となくツボに入っていた声が部屋に響く。









«二度目は無くってよ！！»











中「……………………は！？」








中也さんがばっと此方を見る。









『っふ…太宰さんがくれたんですよね
こっそり撮ってたみたいで』







私は肩を震わせながらそう云う。








中「あンの糞鯖！！！！！」









中也さんはだんだんと地団駄を踏む。






そして此方をびっと指さす。






中「おい、此処から出してやるからそれ絶っっ対」







«二度目は無くってよ！»









中「消せよ……って遮るな馬鹿！！！！」








『あいだぁ！？』








私は中也さんに割と強めのデコピンをされた。

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