文ストの世界に来たんだけど……最高かよ。2

番外編:奪い去られた至福 ページ29

#おもち様リクエスト
乱歩さんとの絡みが欲しいとの事でしたので！




*******

夢主side






日照りが激しい夏の日。





『乱歩さん………』





私は冷凍庫を見て固まっていた。






乱「ん？何？」




乱歩さんは前を向きながら答える。





『私がとっておいたアイス……食べました？』





乱歩さんの肩が少し跳ねた。




『………』




乱「…………」







少しの間沈黙が流れる。






乱「…食べてないよ？」





此方を向いた乱歩さんの口の端にはチョコが付いていた。





私が買ったアイスはチョコパフェのアイス。





探偵社には私以外にチョコアイスを買っている人は居なかった。





そして私のアイスにはしっかりと[相田A]と書いてあった。





『…乱歩さん、はい鏡』





乱「え？何？」





私がにこにこしながら乱歩さんの前に鏡を見せると。





乱「……あ」





乱歩さんはさーっと青ざめた。





私はにっこりとする。






『乱 歩 さ 〜 ん ？』






乱「…」






私の殺気を感知した乱歩さんはゆっくりと椅子から立ち上がり










______逃走した。







『………』





私は無言で後を追う。





因みに私の50m走のタイムは6.5だ。







乱「！？速！？！？」






『アイスアイスアイスアイスアイスアイスア……』






乱「待って！一旦ストップ！！」





『ぬ』





私はズザザザと立ち止まる。






乱歩さんは息を切らせている。







そんな中私はぽつりと云った。





『…私のアイス』





乱「…え？」





『真夏に食べるチョコアイス』





乱「…」





『期間限定で残り１つだったチョコパフェアイス』





乱「………うぐ」







『奪い去られた至福のひととき』






乱「……あああもう！！！
判った！！！ごめんね！！！！
かき氷食べに行こ！！！」






『！』






乱「何味にする！？！？」






『…ブルーハワイで』






乱「チョコじゃないんだね！！そっか！！！ハイ行くよ！！！」





『わーい』






一部始終を呆然と見ていた人達は後にこう云っていた。





「兄妹喧嘩…？」





「Aちゃんの殺気が凄い怖かった」




「あんな自棄になった乱歩さんは見た事が無い」





…との事だった。

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