２つを２人で (ページ10)

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ki side

「わかった。とりあえず、同居してる人を説得してくる。明日、もう一回、会えないかな？」

「もちろん！よろしくお願いします。」

そういって、また頭を下げる友人。
だから子供達に悪者に見られるだろ～！

そんな悪態をつきながらも子供達に手を振りその場を後にした。

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家に帰ると、すでに電気が付いていた。腕時計を見れば短い針が8を指している。

あいつ、意外と早く仕事おわったんだな。そんなことを思いながら、中に入る。

いつものように笑顔で出迎えてくれる藤ヶ谷。
そんな藤ヶ谷に今日のことを説明した。

「は？」

すると、藤ヶ谷の顔が一気に曇った。

「難しいことは分かってる！でも俺も友人の頼み、断れないんだ！頼む。」

そう、必死に嘆願した。

「わかった」

「え？」

「、、、なんてなるわけないだろ。だいたい、なんでそんな大事な話、昨日話さないんだよ」

「だって、お前寝てたから、、、！」

「とりあえずちゃんと考えよう。俺らの仕事は自由がきかない。子供たちに我慢させることが多くなる。」

「わかってる！わかってるんだ、、でも、、」

わかっている。でも、俺だってここで引き下がるわけにはいかない。

「それに、1年間家で預かることがどれだけ大変か、、、ただでさえ今も忙しくて、北山との時間、少ししか取れてないのに子供たちが増えたらそれこそ、俺たちの時間もなくなる」

「、、、、、」

藤ヶ谷の言っていることは十分過ぎるほど分かる。
子供達のことを考えれば反対されて当然だ。
しかも、俺たちは特殊な関係。メンバーにしか言えない関係だからこそ問題がたくさんでてくる。

ただ、今日会った2人を見たら断ることなんて絶対にできなかった。

しばらくの沈黙のあと、藤ヶ谷が部屋を出ようとした。

「どこいくの？」

「電話。俺たち2人だけじゃ、子供2人を育てるなんて無理だろ。事務所に言ってくる。マネージャーにも。メンバーには直接伝えよう。」

「え、、、藤ヶ谷、、、それって、、、」

1年間しっかり子供達を育てよう。
そう言った藤ヶ谷は優しい顔をしていた。