もう一度あなたに恋をしました。４【S.S】 (ページ42)

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186、Ｓside ページ42

瞳に涙をいっぱい溜めて

俺に必死に訴えかける彼女‥‥。

そう、彼女はいつだって

自分の事は後回しにする‥‥‥。

子供を一人で育てるだなんて

苦労するに決まってる‥‥、

それは彼女だって

分かっている筈だ‥‥。

それなのにどうして‥‥、

「何で‥‥、何で自分の事を一番に考えないんだよ！」

どうして君は‥‥、

君は‥‥、

「どうしてそんなに、他人にばっかり優しいんだよ！！」

悔しくて

悔しくて

悔しくて堪らない‥‥‥、

俺は彼女にしてもらうばっかりで

俺からは何も‥‥、

何もしてやる事が出来ないんだ‥‥。

「しょ、お‥‥、私、私ね‥‥」

膝から崩れ落ちた俺に

彼女は俺の頭を優しく撫でながら

「あなたと出会えて‥‥、私とっても幸せだった。あなたに恋をして‥‥‥、ここに、新しい命が宿った事も‥‥、すっごく幸せなの」

‥‥と、笑顔で言った。

そして‥‥、

「私はもう十分‥‥。だから、あなたは‥‥、あなたが一番輝ける場所で、これからもずっと‥‥、たくさんの人達に‥‥‥、幸せを与え続けて」

と言って、俺を抱きしめた‥‥。