Rolling Days ～煩悩～２【S.S】 (ページ6)

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54、お弁当ページ6

「もしもし俺だ」

「あ、もしもし？今何してるの？」

「何って‥‥、仕事してるけど」

「そうだよね、そうだと思ったんだ」

「どーした？何かあったのか？」

「別に。ただちょっと困った事があって‥‥」

「そうか、わかった。今すぐ行く」

「ほんと！？じゃあ、待ってるから早く来てね」

それから数分後‥‥‥、

エレベーターから駆け出してくる彼が見えた。

その辺にいた人達が皆一斉に

彼に向かって頭を下げた。

「翔！」

私が声をかけると、その声に反応し辺りを見渡す

「A！！」

慌てた様子で私に駆け寄ってくる彼。

「どーしたんだよ急に！？つーか、さっきの電話‥‥」

この光景を目の当たりにした受付嬢は

「大変失礼いたしました！」

慌てて私に頭を下げた。

「いえ、もう大丈夫！」

「何だ？全然話が見えないんだけど」

「あ、ううん。そんな事よりこれ、受け取って？」

作ってきたお弁当を彼に差し出した。

「もしかして、弁当？」

「うん、そう。良かったら食べて？」

「うわっ！マジ！？」

嬉しそうにお弁当を受けとる彼。

「じゃ、私帰るから。お仕事頑張ってね」

「え、何で？せっかく来たんだから、ちょっとくらい寄っていけよ」

「ううん、お仕事の邪魔したくないから。今日はこのまま帰るよ」

「別に邪魔なんかじゃ‥‥」

「ほんとに大丈夫だから！それじゃあね」

私の目的は、彼にお弁当を届ける事で

それは今成し遂げる事が出来たから

私はもう満足。