チューリップ【七五三掛】 (ページ17)

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カーテンからの光で目を覚ましてしまった。

結局あのまま寝落ちして、ベッドまで運んでもらったらしい。

スマホを見れば、また龍也さん。

龍也さんこことかどう?

最近できた水族館の写真が送られてきてる。

ここ、行きたかったとこ。

嬉しい半面なんか悔しくて、おもわずまたベッドに潜り込んだ。

ここで返信するのはやめよう。

別に、罪悪感なんて湧くわけないのに。

ともかく、宮近さんが寝てる間にシャワーだけ浴びなきゃ。

ソファの前を通りかかると、宮近さんの寝顔。

やっぱり童顔、それにしたってまつ毛長いな。

「…、顔みすぎ」

『わっ』

咄嗟に腕を引っ張られて、寝たまま抱きしめられる。

私を抱きしめながら「ん～…」と声を出す宮近さんは昨日とは一転、どこか子供っぽくも見えた。

朝、弱いんだろうか。

「シャワー浴びちゃう？」

『は、はい』

「ん。先入っておいで」

そう言って私の頭を撫でてまた寝返りを打った。二度寝するらしい。

なんか、コロコロ表情変わる人だな。

無表情だとばかり思ってたのに。

ただそれでも、鏡を見れば胸元にはしっかりキスマーク。

ワンナイの相手にも、そういう事する人。

昨日だって、好きとは言ってくれないけどあんなに優しくされたら勘違いしそうになる。

今日、龍也さんに会う日じゃなくて良かった。

好きでもないのに、自然とそう考える自分は嫌いだった。