【WT】とても寂しいお別れでした (ページ1)

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3. 猫も杓子もページ1

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「え、今日ショッピくん休みなん？」

『そうなんですよ、体調不良らしくて』

だから暇なので図書室来ちゃいました。

図書委員の仕事がない限り、普段は来ないはずの図書室。生憎活字は苦手だ、読書をするなんて本来の目的で図書室を利用したことはない。

お昼休みの図書室は人が全くいないので喋っても問題ない。現に、うちの高校の附属大学からのバイトで図書室の受付をしている先輩と呑気に雑談している程だ。

「ショッピくん、一回崩すと中々戻らんからなぁ。Aちゃんしばらく暇ちゃうの？この機会に本でも読んだら？」

『あー……まあ、確かに』

別にショッピ以外に友人がいないというわけではない。しかし、この間の席替えでショッピ以外と遠くなってしまったので授業中に空き時間ができた時は絶対に暇である。

……でも、本なぁ。苦手なんだよねぇ。長いと集中力が続かないんだよねぇ。

「んー、あれちゃう？短編集とかやったらええんちゃう？」

『短編集…？』

私が首を傾げると、大先生は文庫本のコーナーから一冊の本を見繕ってくれた。表紙には、たんぽぽの花と幸せそうに微笑む女の子が描かれている。恋愛小説だろうか。

「これとか、本好きの女の子から勧められて俺も読んだんやけど一話一話が短くて読みやすかったで」

『そうなんですか？それ借りようかな』

「それで面白かったら短編集の続編読めばええし、…ああ、この作者が気に入ったんやったら長編も読んでみたらええんちゃう？」

ちょうど新作出たとこやねん。そう呟く大先生は少し嬉しそうである。それほど勧めてきた女の子が魅力的だったのだろうか。彼を翻弄するくらい魅力のある女の子が勧めてきた本……、気になる。

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