あなたへ Ⅱ (ページ14)

今日:465 hit、昨日:422 hit、合計:55,460 hit

ファイナル前夜ページ14

　
　
　
　
　
　
　
　
　
ファイナル前日の夜

みんなで過ごしたこの合宿所とは明日でお別れ

色々考えてたら寝れなくなって

食堂に行くことにした

「あれ、Aちゃん？」

『……蓮汰くん、俊司くん』

俊司「Aちゃんが夜更かしなんて珍しいですね」

蓮汰「もしかして食堂行こうとしてました？」

『うん、ちょっと麦茶取りに行こうと思って』

蓮汰「……少し、お話しませんか」
「3人で」

蓮汰くんがこんなこと言うのは珍しくて

驚きながらも俊司くんと目を合わせて「うん」と返事をした

そして2人の背中を追いかけるとAクラスの練習室に着いた

蓮汰「……2人は6位で、ジンクスがあるじゃないですか」

魔の6位ジンクス

サバイバルオーディション番組のファイナル前の順位発表で6位だった練習生は脱落してしまう

そんな内容だったかな

前作では安藤さんが脱落してしまったらしい

このジンクスは“推しが6位ってことはほぼデビュー確定だから救済回らなきゃ”って考えがあるから

でもその考えは6位だけじゃないはず

どの練習生だって有り得る

蓮汰「……僕も結構高い順位だから、もしかしたら落ちちゃうんじゃないかって心配で」

俊司「……僕も、やっぱり前作の結果を見ると…………」

『……まあ、ぶっちゃけ私も…………』

お互い不安だって話したらちょっと笑っちゃいそうになった

ジンクスだろうがなんだろうが

デビュー圏内の12人も

デビュー圏外の10人も

全員不安になってるはず

っていうか、絶対不安

『……まあ、ここでデビューできなくても、諦めなければ大丈夫でしょ』

『だって、あのスパルタトレーナーのレッスンに、世間からの声に耐えて、ファンの期待に応えてここまで来たんだよ？』

『それ以上に怖いものなんてないでしょ』

俊司「……なんか、Aちゃんっていい意味で適当ですね」

『気にしすぎたらどうにかなっちゃうでしょ』

蓮汰「そういうとこ大好きです」

『やめろやめろ』

蓮汰「あ、これ」

『ん？』

蓮汰「Aちゃんが倒れて騒ぎになったときにできた傷です」
「なんか……星みたいじゃないですか？」

『え、ほんとだ』

俊司「あ、じゃあこの傷にお願いしましょう」

『なにそれ笑』

俊司「いいから、早く」

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　