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本当の別れ ページ17

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黒田坊side






これで終わった。


つまり…我々とA様の本当の別れのときだ。







「A様…今まで本当にありがとうございました」





拙僧はそう言って頭を深く下げた。





『…なに?そんなに改まって』



「我々を率いて…守ってくださっていたので…」






『わたしは普通に総大将してただけだよ、じいちゃんや父さんと同じようにね』





A様は照れたように笑った。





普通に総大将してただけ…

A様の言葉の端々から、"先を視ていた"という部分だけが抜け落ちている気がする。




それにA様の表情から、憂いのようなものが感じられない。





本当に、本当に、A様の辛い経験、想いだけが書き換えられたのだろうか。



もしそうなら、そのままで…


どうか、そのままで…






『こちらこそ、ありがとう黒、ほんとに世話になったね』



「っいえ…」








「姉貴…俺からもありがとう。
俺が強くなれたのは、姉貴のおかげだ」






A様は目を見開いた後、小さく首を横に振った。






『ううん…わたしは助言をしただけ』





『「「…」」』





『でもごめんね、わたし、"闘いの中で"死んでしまって』





「「っ!」」





"闘いの中で"?

違う、実際はそうじゃない。



A様の死の記憶も書き換えられてる…



A様が先を視ていたという事実に繋がる全ての記憶が、そうなのかもしれない。





『今は、ここで一生懸命やってるよ。

リクオは強くなって、わたしの後、立派な総大将になったみたいだし、今の奴良組は心配ないよね。


ありがとう、淋しい想いさせてごめん…

これから奴良組をよろしく頼むね』



「当たり前だ…」





A様はリクオ様と拙僧の首にきゅっと抱きついて、すっと離した。














『…さよなら、みんな』




A様は、泣きながら笑った。




後ろから皆の嗚咽が聞こえてくる。





これで本当に最後だ。


A様に会えるのは。











A様…これから、幸せになってください。

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マニ。(プロフ) - 怜。さん» ✉️。有難うございます!そちらのボードの方に返事送りました!ボード返事待ってます! (1月1日 20時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです!私でよければ! (1月1日 20時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 怜。さん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています (1月1日 18時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - みちゃきさん» コメントありがとうございます😭嬉しいです! (12月11日 13時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
みちゃき(プロフ) - 番外編のお話楽しく読ませて頂きました。 (12月11日 8時) (レス) id: 11e4934a1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怜。 | 作成日時:2023年11月3日 23時

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