背中合わせの光 8 【鬼滅の刃 / 宇髄天元】

不思議なことに　＊ ページ2

.
Aside





あれから、一週間。

私の下肢の状態は順調に回復していた。

手摺りや壁を伝いながらなら自分で歩けるくらいにはなった。


しのぶ曰く思ったより早い回復だそうだ。
　
相当筋力が落ちていたと思うから素直に嬉しい。




.




あと、頭に鳴る鬼舞辻の声の件だが、これは不本意なことに、まだたまにあるのが現状だ。


しのぶの作ってくれた薬は予防できるものではなく、発作的に現れたときに投与すると、症状は和らぐが効果が出るまで一定の時間がかかっていた。

改良を重ねているが、なかなか難しいらしい。

しのぶには謝られたが、それに時間を割いてくれていること自体がありがたいので、絶対に謝るなと念を押した。



薬を飲めば症状は落ち着くのだけれど…

不思議なことに、この症状は天元に抱き締められるとすぐに治るらしかった。


…不思議なことに。(二回言う)


想いが顕著すぎて恥ずかしい。








…私は自分の耳を指で触った。

あのときも…耳に接吻されたときも…

恥ずかしかったけど、今までにない感覚がして自分が自分じゃないみたいな怖さはあったけど…


…嫌ではなかった。







.




「Aさん？」

『っ！うあ、ごめん、なに？』



「顔赤いですよ。
…宇髄さんのことでも考えてました？」

『っ！』

「ふふっ、図星ですね…」



しのぶには何故か見透かされるし、揶揄われるのがなんとなく悔しい。

でも、色恋に関しての精神年齢は、しのぶの方が上らしいから仕返すのは難しいだろう。




『…うるさいよ』

だから、こうしてむっとすることしかできない。




,

心の変化　＊→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す