お前を甘やかす 天元side ページ20
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天元side
「おい!大丈夫か!?」
俺はAが魘されていることに気がつき、身体を揺らして起こそうとした。
するとそのとき、彼女の目尻から一筋の涙が伝い、ゆっくりと目を開けた。
「っ!?
A、おまえ『…天元、』
「…ん?」
『天宇が…』
「え?」
『…天宇が…謝ってたよ』
「っ!!
…だれに」
『…天元に』
「…お前には」
『え?』
「お前には謝ったのかよ」
『…!
…ふふ、うん』
「なんでそこで笑う」
『…いや、ごめん…………ふふっ』
「…オイ」
魘されていた割には、思ったより平気そうだが…
「…天宇の夢、見たのか…?」
『…え?』
「…泣いてる」
俺は親指で彼女の目尻の涙を拭った。
『…うん、まぁ』
「そうか…」
起き上がった彼女の額や首筋には汗が滲んでいる。
『ふぅ…』
俺はタオルで彼女の汗を優しく拭いた。
『…??
なんか…至れり尽くせりだね』
「俺はお前を甘やかすことに決めたからな」
彼女がピシッと固まった。
『…』
「ん?」
俺は顔を覗き込んだ。
目を泳がせたAは俺を指差して言った。
『な、なんか…!
天元、おかしくない!?』
「別におかしくねぇよ。
今まで通り接してても、なんにも変わらねぇし」
『…はい!?』
「…
…俺はもう、後悔はしたくねぇ」
じっと彼女の瞳を見据える。
彼女はパッと逃げるように布団を被った。
そんな様子を見て俺は小さく笑った。
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怜。(プロフ) - Ach1ch1さん» こちらこそありがとうございます! (2021年10月5日 13時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2021年10月5日 8時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - 白い世界へのパスワードを教えていただきたいです。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 有紀さん» 白い世界へのパスワードをお伝えしていたのですが、コメント欄にてそのパスワードが誰でも見れる状態が続いていたので、消させていただきました…!すみません!もし確認されていないようであれば、もう一度お伝えいただけると幸いです! (2021年9月21日 23時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初コメがこれで失礼いたします。白い世界のお話を読みたいのでパスワードを教えて欲しいです!よろしくお願いします! (2021年8月30日 19時) (レス) id: 6e9316e3b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2020年6月26日 15時