私達は付き合っていますか？【うらたぬき】

今度は。 ページ30

貴女side





前までうらたと付き合っていると抜かしていた私だったらすぐに照れてそっぽを向いているかもしれない


でも、今は違う。


照れより驚きの方が勝っている

うらたから視線が離せない




貴「嘘…でしょ…」



震え混じりにそう呟く。何で。何でだ？

嫌いってあんなにお互い言い合ってたのに。



貴「何で…」



涙がこみ上げてくる。うらたの珍しく優しそうな顔が歪んで見える



貴「何で…うらたも好きだったんだよ…」



そっと私の涙を彼が優しく拭った

そして柔らかく微笑んでくる



浦「お前さぁ、ホント馬鹿だよな。」

貴「なっ？！」




柔らかい表情とはうらはらにとんでもない暴言だ

このタヌキめ…



浦「…嫌いって言ったら一回で信じるのに好きって言ったら一回じゃ信じないんだ」

貴「あ…」




私は今まで『嫌い』しか信じなかったのか

…ばかだなぁ。ほんとに

うらただって好きって何回言っても信じてくれないじゃん









今度は笑いがこみ上げてくる


貴「お互いばかだよ。」

浦「そうみたいだな」





二人で顔を見合わせ笑い合った





貴「私達は付き合っていますか？」

浦「今から、な。今度は思い違いじゃないから」



指切りげんまんをする



私達が『好き』を信じられるように

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