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女の敵 ページ10

女、もとい赤谷は女二人に別れの挨拶を告げて去る。女二人もキャーキャー言いながら別方角へと向かう。そして、




「おい女、」



「………なにか」




赤谷はどうやら俺に気がついていないらしい。土方さんに背中を向けながら顔だけ振り返り返事をする。




「俺達ァ警察だ。いくら女助ける為であっても道中で騒ぎ起こしてんじゃねぇ、こういうのは警察に任せとけってんだ。」



「ナンパに困っている女性達を放っておけと?」



「そうは言ってねぇが、限度ってもんが……」



「……あれ、その制服は」




赤谷が土方さんを見て呟いた。そして




「……あ、悪魔と同じ服着てる。あれ、目の前に瞳孔ガン引きの鬼が、」



「んだと小娘が!!人の見た目を軽々と貶すな!!……つか、悪魔ってなんだ。こいつの事か」




土方さんが親指で俺を指す。



「そうそう。童顔のクセに人の弱みに漬け込む最低最悪の悪魔。所詮顔だけの女の敵と言ってもいいクソ男だったなーあれは。


あーマジヤダなー二度と会いたくないなー、


アハ、アハハハハ………ハ、ハ



……………ギ、ギ、ギギッ(首がぎこちなく動く音)」




「よぅ赤谷。また会ったなー」




俺はぎこちなく笑う赤谷にそう言った。




「あ、悪魔野郎……!」




そう言うと赤谷は俺と距離をとった。




「なんだ総悟、知り合いか」



「まぁちょいとね。トモダチでさァ、トモダチ」



「なるほど、新しいおもちゃってわけか。同情するよ、女」



「うわ、男に同情された。鳥肌立つ」



「そのままチキンに焼いてやろうか小娘が!!」




あの道場にいた時とはまた違う態度の赤谷。



男が苦手というのはそれで正しいのだろうが、前とは違うような気がする。さっきのナンパ男二人にも立ち向かってたし、何か違うのか。



どうやらただ男が苦手という条件ではないらしい。




「まーまー、土方さん。落ち着いてくだせェ。事実じゃねぇですか、俺も鳥肌立ちますぜ。アンタの隣にいると。だから早く成仏してくださいよ」



「何殺そうとしてんだテメェは!」




怒鳴る土方さんを軽く無視して俺は赤谷ち向き直る。




「にしてもお前、あの時とまた随分とオーラが違ェな。苦手なんじゃなかったのかィ、男」



「黙れ女の敵。お前に関係ないだろう。」




キッと俺を睨みつける赤谷。



そんなにあれを根に持っているのか。




「……あっれー?誰かと思えば結木じゃなーい?」




またアホの声がした。

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作者名:みぃ太 | 作成日時:2018年4月8日 15時

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