丁か半か ページ27
…と、思った私がバカだった。
「さぁ張った張った!丁か、半か」
「よーし赤谷、行くぞー。丁」
「待て待て待て待てどんなとこに連れて来てんだお前!なに賭博に興味抱いてんの!?職務的にここに来ていいの!?」
「おいアンタは、丁か半か!」
「ヒッ、け、けけけけ見学ですんで!い、いいいいいいいいいです!」
全力で私は遠慮した。沖田が笑っている。マジでやめてくれよ300円あげるから。
「……丁!」
ツボを取った審判がそう叫び、部屋中に親父共の声が鳴り渡る。
沖田は真顔だったが。
「おいテメェも隣に座りやがれ。いつまでも後ろにいられちゃテメェの怯え顔見れねぇだろ」
「ふふふふふふふざけんな。誰がお前に見せてたまるか。て、てかここ、男多い…!!か、帰ろう!早くここから出よう!」
「ちょっと待て。これからがいいところだろ。テメェの怯え顔ピーク最高潮になるだろ」
「だってここイカつい人多いじゃん!刺青入ってる人いるよ!?いいの!?警察がこんな所に来ていいの!?」
「何言ってんだ。バレなきゃ犯罪じゃねェ」
「真顔で犯罪宣言してんじゃねぇ腹立つ!!!」
こいつホントに警察なの?は?、と本当は言ってやりたいが、視界全部に男がいる限り、それは無理な話だ。そして賭け事の部屋でもあるから少し狭いわけで。
「か、帰る…!」
「ダメに決まってんだろィ」
「ム、ムリ!本当にムリ!空気に殺される!」
「んなもんで死ぬんならとっくに人間死滅してるわ」
ま、しょーがねぇか。と沖田はよいしょと立ち上がり、イカつい人で賑わっている部屋から出してくれた。
パタリ、と襖を閉めたところで私はようやくまともな呼吸ができた気がした。
「し、死ぬかと思った…!」
「躾も治療もハードル高ェ方が効果抜群なんでィ。どうだ、放置されてた気分は」
「なに調教しようとしてんだテメェは!!ふざけんな殺す気かコノヤロー!」
「チッ、まだ足りねぇか」
「オイィィィ!!!!お前何が目的だ!!!私をどうしたいんだお前はァァァ!!!!!」
少しコイツに気を許した自分がバカに見えた出来事だった。
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作者名:みぃ太 | 作成日時:2018年4月8日 15時