評価と価値 ページ25
「う、わ…!」
急に後ろに倒れ込むそいつの腕を掴んだ。
「大丈夫かー、赤谷」
「あ、あぁ。ビックリしただけ……って、あれ?」
なんで腕を離さない?と言うことを聞いてきた。そんなことよりも、だ。
「……平気なのかィ、俺が」
「……あれ、なぜか平気?……あれ?」
こんな近くにいても平気らしい。こりゃ奇跡だこって。
「ふーん、その調子でいきゃあ、男嫌いが治る日はそう遠くねぇな」
「だ、だから治す気ないって。…てか、手、離せ…!」
触れられるのはまだダメらしいが、そこまでではないようだ。会話が出来るというのなら、言ってやりたいことがある。
「なァ、赤谷」
「な、なんだよ…!」
「さっきテメェは、『自分はつまらない人間だ』って言ってたけどよ」
「そ、それが、なにか」
こいつにそう言われたこと。一方的にそう言って話を切らせられたのが、少し気に食わない。
「…テメェが手前をどう思おうが勝手だがな。その評価を、人に押し付けてんじゃねェ」
「は…?」
「だから、手前がした評価を俺に押し付けんなって言ってんだよ。面白いかどうかは俺が決める。何を玩具にするかも俺が決める。それでいいだろ」
「いや最後のどう考えてもよくないよね。最後のいらないよね。」
とにかく、と俺は言葉をつなげた。
「俺はテメェが気に入った、だからここに来る。ついでにサボる時は匿えよろしく」
「なに無理矢理丸め込んでんだよ、こちとら了承した覚えねぇぞ。……まぁ、でも」
話くらいなら、してもいい。と、そいつはそう言った。どうやら俺がここに来るのを認めてくれたらしい。
その言葉に俺は、ふと笑うと
「あー、そうそう。赤谷」
赤谷の腕を掴んでグッと顔を近付けると、
「男嫌い治しの件、まだ終わってねェからな。
テメェがそれでも嫌だって言うんなら、仕方ねェ。
強制執行に移ってやらァ」
俺は笑ってやった。
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作者名:みぃ太 | 作成日時:2018年4月8日 15時