もはやクセ ページ13
「空いてるネ。別に座ってもいいアルヨ。ただしこのかぶき町の女王神楽様に酢昆布寄越すヨロシ」
「女王様ですか、申し訳ありません。貴方のその可憐な姿、お可愛らしい声、愛らしい瞳を見て、物語に登場する姫かと思いました。お許しください、」
「………別にいいアルヨ、謝らなくて。呼び方なんて何でもいいネ」
赤谷の戯れ言を聞きながら焼きとうもろこし食ってる姿からまだ靡いてねぇのか。
「よかった。銀さん、神楽ちゃんどうやら大丈夫な様です」
「だろ?食い気しかないアイツに結木の言葉は通用しねぇって」
「………違ぇですぜ、旦那。あれ見てくだせェ」
俺はあることに気がついて、指を指す。
「……おや、姫。口にとうもろこしが付いてますよ?」
「え?どこアルカ」
「フフ、ここですよ」
そう言うと赤谷は親指でチャイナの口元に付いたとうもろこしを取る。そして、
パクッと食べやがった。
「な、なに食ってんだヨ!私のネ!」
「あぁ、申し訳ありません、姫。私としたことが、女性を怒らせてしまいましたね」
「だ、大体人の口に付いたもの食うなんてどうかしてるアルヨ、お前」
「……そうでしょうか?それにしても、姫、
───・・・顔、赤いですよ?」
「な、ち、違うアル!暑いだけネ!」
「なぜ私から目をそらすのですか?さぁ、その愛らしい瞳でこちらを向いてください」
赤谷はチャイナの顎を指で持ち上げ、またあの笑みを浮かべる。もはや美としか言いようがない、という笑みだ。
「……銀さん。神楽ちゃんがオチました。」
「………。」
旦那がいつも以上に死んだ目で二人の様子を見る。
「姫?可愛らしいですよ?」
「………べ、別に、照れてなんかないんだからね」
「神楽ちゃんんんんんん!!!キャラ!!キャラ性忘れちゃダメェエエ工!!!!」
「……おい万事屋、どうすんだあれ。チャイナ娘大丈夫なのかあれ。メガネの姉も大丈夫なのか。」
「……もはやクセとしか言いようがねぇな。」
とだけ言い、旦那はようやく動き出した。
「神楽ァァァァァァ!!!!
頼むから戻って来ォォォォい!!!!!!!」
必死な顔で。
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作者名:みぃ太 | 作成日時:2018年4月8日 15時