第77話 ページ35
───・・・
「だからさ、いつまで人の家をサボりに使うつもりなの」
沖「うるせーやィ、愛しの彼氏様にそんな言い方はねぇだろ。オラ、茶と菓子持って来い」
「……愛しの彼女様の扱い酷くない?」
沖「愛しの彼女様ってのはどこのどいつだ」
「おい、急な他人ヅラやめろ。」
あれから、私も少し忙しくなった。
鑑識としてだけではなく、真選組の医療班としても働くようになった。
だからこうして私の家でこの男が寛ぐ時間は前より減った。
沖「……ま、少なくともここなら邪魔されねぇんでね。」
「……邪魔って、」
沖「何でィ、俺達ァそういう仲だろ」
真正面からそう言われると恥ずかしいのなんの。
「……そ、だけど」
沖「んじゃあ問題ねぇだろ。男と女の営み、存分に楽しめるってもんだ。」
「おいちょっと待て、ステップ踏むどころか飛び越えてるぞ。」
沖「それが最近の男女でさァ。流れに乗って何が悪ぃんだ」
「ねぇ、その流れってどっちの意味?雰囲気の方?それとも流行りの方?後者だったらぶっ飛ばす」
沖「整わせました」
「整いましたじゃねぇのかよ。つかいい加減ぶっ飛ばしていい?いいよね」
沖「流行りに乗って何が悪い」
あ、ダメだこいつぶん殴ろう。
そうしてそいつに真っ直ぐに伸びた手は、あっさりと掴まれる。
沖「……案外スキだらけだな、」
掴まれた手をグッと引き寄せ、ソファに座るそいつに覆い被さるようになってしまった。
沖「……目、閉じろよ」
こっちがテンパっているのにも関わらず、そいつは顔を近付ける。
近付く距離にギュッと目を閉じると
プルルルル……
ポケットから携帯が鳴った。
ホッと息を吐き、その電話に出ようとした所
沖「……今は、こっちだろ」
携帯は没収され、電話を切った。
「ちょ、今の電話…土方さんじゃ、」
沖「あの野郎の電話なんざ出る必要ねぇ。ていうか、彼氏の前でどうどうと浮気か、」
「あっちがかけて、」
沖「問答無用でィ、浮気はきっちり取り締んねぇとな」
私の言い分は聞いてくれないらしい。
当の本人はそう言うと、口を開こうとした私の口を塞ぐ。
沖「……好きな女が、目の前にいるんだ」
「!」
沖「……触れない方が無理だろ」
そうしてまた、唇が被さった。
私はその言葉に、嬉しさを感じながら
また、目を閉じた。
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作者名:みぃ太 | 作成日時:2018年3月27日 15時