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第72話 ページ30

沖田said



あの後、俺達は討ち入りの準備に取り掛かった。



山崎に今回の事件に関わりのある人物で、なおかつ幕府御墨付きの医者・八重代義治を付けさせたところ、奴は黒だと判明。



攘夷志士達との交流もあったらしい。



土「…まさかお前が自ら買って出るとはな、」



沖「……何のことですかィ、」



土「んなもん聞かなくても分かってんだろ。いつも自室で惰眠を貪ってたテメェが、真面目に働いた挙句、『敵の大将は自分がやる』って言ったんだ。恐ろしいことこの上ねぇな。」



討ち入り前に言われると妙にその言葉を受け止めることが出来る。気に食わねぇ野郎に気に食わねぇこと言われてるってのに、何でこんなに冷静なんだか。



沖「……正直今回の件に関しちゃ、気に食わねぇことばっかなんですよね。」



土「だろうな。だが、柏田と奴との間に起こった事は俺達の仕事じゃねぇが、やる事は変わらねぇだろ」



「んじゃ、先陣切ってくれや。一番隊隊長殿」と土方さんは俺にそう言うと近藤さんの元へと向かった。



気に食わねぇ、ここ最近そればかりだ。



アイツに拒絶されるわ、


理由聞こうとしても拒絶されるわ、


土方さんに色々悟られるわ、




言うつもりのなかった想いを言っちまうわ、




……全部俺だけだってのが、気に食わねぇ。




この戦いが終わったら、



もし、アイツがもう俺を拒絶しねぇなら、




触れたいと思っちまうのは、惚れた弱みか。




いつも通りだった、当たり前になっていたあの関係に戻れるのだろうか。




それとも、俺がアホなことを口走っちまったから、二度と戻れねぇのか。




だけど、




沖「……帰ったら、答えさせてやらねぇとな、」




俺だけ一方的に言ったなんて、何か腹立つから。



今まで通りになれるなら、何だっていい気がしてきた。



だからせめて、答えだけでも聞きたいなんて。



女々しすぎんだろ、俺。

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作者名:みぃ太 | 作成日時:2018年3月27日 15時

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