10話~雪女子と犬神~ ページ11
どれだけ探しても館内に居かった隠神さんを探して、今度は表口から出て外を探し始める
館内に弥太郎もいなかった、きっと夏羽の所に行ったんだ
貴女「はっ……っ!…いぬ…みっさ……!!」
暫く走っているとあまり来た所がない明かりもない真っ暗な所に居た
でもおかしい
ここにいないはずの二つの臭いがする
夏羽……と隠神さん?良かったもう合流してた
なら私も行かないと………
パァァァァンッ
何この音
聞いたことない…乾いた音なのに重低音
夏羽の臭いのする方から聞こえた
行かないと
ガサッ
隠神「………おぉ濡れ女ちゃんも来たんだね
そんなに泥田坊君が大切なんだ、いやぁ実に美しい種族を超える強い絆だな
君、足元に霜が降ってて犬の耳としっぽ出てるよ
やっぱり君も混ざり物だったんだな」
貴女「………夏羽…」
隠神さんに指摘されて初めて気づいた、普段から気をつけていたのに気が動転してつい姿が半分戻ってしまっていた
でも気が動転するのも無理はないよ
だって……夏羽…倒れてる
隠神さんの背中には弥太郎が背負われてて気を失ってる
何が起こったのか、馬鹿な私でも何となくわかる
貴女「夏羽………隠神さん…私も殺していい、よ
夏羽が死ぬ…なら、私も……」
頭に穴の空いた夏羽を抱えて隠神さんに向き直る
夏羽が人間じゃなかったのも知ってる、死なないのも知ってる
でも泥田坊が死ぬなら濡れ女も死んだ方がいい…と思うから
隠神「濡れ女ちゃんの討伐依頼は来ていない、だから残念だけど殺せない
君は周りに怪物ってバレてなかったんだな、ただ泥田坊君のそばに居たから周りから苛まれるようになった
そんな君の正体は……雪女子と…」
グイッ
隠神さんが私の目の前まで来て、私の頭を掴んだら思い切り上へ引っ張った
私の首は包帯の拘束を解き意図も簡単に音もなく
丸で球技のボールを持ち上げるよりも簡単に、首は持ち上げられた
隠神「犬神、だね」
貴女「………うん」
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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2021年4月13日 8時