【怪物事変】七転八起とは言うけれどこれは難しい (ページ15)

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14話~とても美味しい~ ページ15

　

貴女「………野火丸、変な臭い

怪物？」

　

野火丸「単刀直入ですね〜建前って知ってます？えぇそうですよ僕は怪物です」

　

　

隠神さんからは怪物の事はなるべく隠せと言われていたような気がするけど……野火丸、躊躇しなかった

隠す必要が無いと判断した……？

　

　

野火丸「にしても凄いですね、一応怪物臭消しは毎日付けているのによく分かりましたね？」

貴女「確かに……怪物の臭いはしないけど、人間からはしない怪物臭消しの臭いがしたから…」

野火丸「へぇ随分鼻が良いんですね、それに頭も良く回るようだ」

　

ニコニコと笑みを絶やさず私の代わりに重たい袋を持って歩く野火丸

　
……私も力をもっと付けて、夏羽の役に立ちたい

　

　

貴女「………野火丸、嫌な事でもあった…の？」

野火丸「……何故です？」
　

　

　
殆ど車とやらが走らない街灯すら少なく人気もない道を二人で歩いてる中、何となく聞いた

私の質問に野火丸は一瞬だけ笑みをなくしたけど、またすぐに笑みを浮かべて質問を質問で返してきた

あ、少し動いた……不快…だったのかな、この質問

　

だとしたら悪いことをした、かも……でも聞かずにはいられなかった

　

　
だって

　

　

　

貴女「野火丸の、とても美味しくて…もっとほしくなる

こんなに美味しいの初めて、かも」

　

　

　
　

　

野火丸の服を掴んで背伸びをして食い入るように顔を近付ける

このまま野火丸ごと食べたらどうなるかな……？

　

　

　

隣を歩く野火丸からずっと美味しい美味しい負の感情が中に入ってきて、もっと欲しくなっちゃう

覚えてるものは少ないけど……でもその覚えてる限りの中で一番美味しいと思えるほど、野火丸の負の感情は格別に美味しくてびっくり

　

　

野火丸「…………他意も悪意も無いとはいえ可愛い子にそんな言い方と顔をされては溜まったもんじゃないですね

蕩けてますよ？顔

そんなに美味しいんですか？僕の負の感情」

　
　

貴女「うん…どの人間よりも美味しい、気がする」

野火丸「………それなら良かったですよ

それよりも隠さなくて良いんですか？耳と尻尾」

と言っていつの間にか出ていた犬の耳を触られてようやく気づく

　

貴女「！……それ、何か背中がうるさい」

野火丸「あはっそれどんな表現法です？」