＊＊＊＊ ページ40
○オモダカ
「それ、貸して頂けますか？」
負の感情を吐き出すように、手首に傷をつけているといつの間にか目の前に立っていた彼女に声をかけられます。有無を言わさず手を差し出され刃物を渡すと、彼女はなんの躊躇いもなく手首を切っていきます。思わず彼女の手を掴んで止めると、「胸は痛みましたか」と尋ねられます。当たり前だと答えると
「…私も、同じように感じたのですよ」
悲しみを含んだ笑みを浮かべます。強引な手ではあるけれど、その行為を止めてもらいたい一心でとった行動です。
○チリ
「A、手ぇ止めよか」
自傷行為をしている姿を見て、怒鳴りたい気持ちをなんとか抑えて、刃物を持つ手にそっと手を重ねて止めに入ります。そのまま流れるような手つきでそれを回収し、「チリちゃんのとこおいで」と、座って後ろから包み込むように抱きしめます。しばらく無言画続きますが、
「かんにんな、こないになるまで気付かれへんで」
傷だらけの腕に、優しく触れながら呟きます。ちょうど顔が見れないけれど、悔しくてたまらない彼女は、血が出るほど下唇を噛んでいます。
○ポピー
「いたいいたいですのよ！？」
自分で自分を傷つけるという行為が、いちばん理解できない。手首を切り裂いている姿に「な、なにしてますのAちゃん…？」と震えた声を出します。『気にしないで』と言ってもそんなこと出来るはずもなく、首をぶんぶんと横に振ります。傷口を触ってはいけないと、混乱する頭で考えて
「…いたいのいたいのとんでいけ、とんでいけー、ですの……」
両目に溢れそうなほど涙を溜めて、手をぎゅっと握り、おまじないをします。勘のいい彼女は、心も傷んでいるということも気づいている。
○ハッサク
「余程追い詰めれてしまったのですね」
自傷行為をする恋人を見て驚き、悲しみますが、絶対に無理に止めようとしません。そっと隣に座って、「それでしか気が晴らせないのなら、仕方がないでしょう」と複雑な表情を浮かべます。彼なりの気遣い、優しさが身に染みて『ごめんなさい』と謝罪を繰り返すと
「あなたが謝ることなんて一つもないでしょうに…」
よしよし、と背中をさすって落ち着かせてくれるけれど、内心では、ここまで心を傷つけることになった原因を潰す気満々でいます。行動に移す日も近いでしょう。
------------------
リクエストありがとうございました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たまごやき星人(プロフ) - 玲奈さん» リクエストありがとうございます、現在更新が非常に遅い状況となっています。頂いたリクエストのお話が書けるのがだいぶ遅くなってしまいますが、それでもよろしければ書かせて頂きます🙇🏻♀️ (1月13日 16時) (
レス) id: b96978c7f7 (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき星人(プロフ) - りさぷーさん» 読んで頂きありがとうございます🙇🏻♀️リクエストですが、現在更新が非常に遅い状態となっています。それでもよろしければ、書かせて頂きます🙇🏻♀️ (1月13日 16時) (レス) id: b96978c7f7 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - リクエストで、大事なとき(告白など)になかなか勇気がでなかったら…て言うのできます？できなかったらできなかったでいいので。 (1月3日 23時) (レス) @page9 id: e7646e6d57 (このIDを非表示/違反報告)
りさぷー - 初めて見た時から釘付けになっています。o(*￣︶￣*)oリクエストをお願いしたいのですが、精神的にしんどくなり隠れて泣いていたら、寂しいとポツリつぶやいてしまったらキャラが抱きしめてくれるの二つをお願いしたいのですが難しかったら大丈夫です！ (12月15日 1時) (レス) id: f96d0b684d (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき星人(プロフ) - 考え中さん» 初めまして、いつもありがとうございます🙇♀️✨リクエスト承りました、書かせて頂きます。今後ともよろしくお願いします!! (2023年2月5日 18時) (レス) id: c469f1fcbf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たまごやき星人 | 作成日時：2023年1月6日 18時
