【忍たま】団子屋の山サバイバルで育った野生っ娘の楽しい日常録

40話~か弱くも心は強い~ ページ41

 

山田利吉side

 

 


 


利吉「……三者鼎立、ですか…それも敵はどちらも城主が最低だと評判の」


 

学園長「うむ、儂の旧友の孫娘から突然の文を貰っての……何やら面倒臭い事に巻き込まれているとのことで土井先生と生徒を何人か向かわせたのじゃが


 

先刻、何があったか知らんが何故かタソガレドキの雑渡昆奈門が来よって、鼎立を持ちかけたんじゃ


 


城主からの命令ではなく、独断による判断でじゃ」



 


 


 

利吉「はぁ……？」


 
 



 


父上に突然呼ばれて急いで来てみれば何だ、また忍術学園はとんでもない事に巻き込まれているようだ



 

かくいう私も、巻き込まれるようだが……


 


 


忍術学園の関係者ならまだしも何故フリー忍者として働いている無関係な私まで巻き込まれているのだろうか…



 
学園長は私をお呼びになったのか、本当に理解し難い


 



 


 


 
学園長「家族を戦火で失いとある団子屋に引き取られ、それ以降団子屋の娘として育った齢十四の少女からじゃった


 

震えておったのか文の字は酷く歪での……じゃが軸が曲がっておらん強い子だと儂は思った


 


 

 

じゃから儂は雑渡昆奈門の提案に乗った


 


利吉君よ、これからは依頼としてお願いする


 


 

 

この鼎立戦争中の間、少女を守ってやってくれんかのぉ……戦火に合っても戦争に関わった事の無い本当に非力でか弱い女子なんじゃ


その様な女子が現在村人一人だけで、今後起こる戦争の前線に立つという事が起きてしまう


 


どうか、頼む」



 



 


 


ずずっとお茶を啜りながらも真剣な面持ちで私を見据え、依頼としての頼み事をする学園長



 


戦火で家族を……それでいて今度は戦争に巻き込まれるのは、酷く不幸で不運で、惨い運命だ

 


 



 


同時に渡されたその少女が送ったらしき文を見れば


 


 

確かに、墨の文字は震えており変な所が滲んでとてもじゃないがお世辞にも正常な字とは思えない


 

震えていた上に、泣いていたのか？


 

 

そんな少女が自身が住んでいる村人が全員いなくなった状態で、一人で忍術学園の主軸かつ前線となる村で過ごすなんて


 


とてもじゃないが、私は嫌だ


 


 


 

『しかし何より怖いのはその事実を知らずに日々を過ごすことです。』


 

 


 


ただ分かるのは、どれだけか弱く非力であろうと



 

 

 

この子は私より強い心を持っているということ

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