【忍たま】団子屋の山サバイバルで育った野生っ娘の楽しい日常録

15話~どうかこの文よ届け~ ページ16

 



 

 
『初めまして大川平次渦正殿、初めてのお便りを差し上げますこと甚だ失礼かと存じますがお許し下さい。

私は故人の半戸猪三郎の孫に当たります、半戸Aと申す者です。此度は突然のご連絡大変申し訳ないのですが祖父やお世話になっているご夫婦から困った時には此方を頼れとお申し付かっておりまして、この文を送り致しました次第でございます。

突然の本題に入らせて頂くのですが村が可笑しいのです、私がお世話になっているお団子屋を構えている村なのですが
ここ最近辺りに不審な輩が徘徊しているとの目撃情報と噂が村中に飛び交っておりまして、どうやらその不審な輩は一人では無い様なのです。今の今まで噂程度で納まっていたのですが

今朝突然、村中の人々が慌てふためき気付くと村には私以外の人は居なくなっておりました。ご夫婦は早朝からで店に行っており
何時もなら時間通りに遅れるならばその報せが届くのですがその報せが来ません、ならば早く戻るのではとなるのですが、いつも帰ってくる時間帯に帰ってこないのです。

村の方も人の気配がせず薄気味悪い雰囲気が漂っています、どうか厚かましい願いだとは存じておりますが何卒お助け下さい。
ご夫婦だけでも良いので探したいのです、心配でなりません。もし良からぬ事に巻き込まれているとなれば私は正気ではいられないでしょう、しかし何より怖いのはその事実を知らずに日々を過ごすことです。
どんな現実でも構いません、どうかこの現象の原因を突き止める、もしくはご夫婦を見つける手助けをしては下さりませんか？

長文失礼致しました、どんなお返事でもいいので折り返しして頂ければと思います。』




 


 
じっさまに昔嫌という程しこたま仕込まれた字、まさかこんな時に活躍するとは思っていなかった



というか、こんな事態誰も予想は出来ないししようとも思うまい……



 


 


 
「クルォッフー」



 

貴女「それじゃぁ……後はお願いね、頼んだよ」





 


ﾊﾞｻｯ



 



 


窓から文を括り付けた伝書鳩を飛ばし、一息つく



 

………何だか眠くなってきた


 



 
駄目、こういう時こそ店番をしないとなのに……最近やけに眠たいのは何なんだろう、まさかこんな時にまでなんて


 
……返事、いつ頃来るのだろう…




 


 



なるべ、く…は……く、が良い…な


 



 

 



怖いよ……

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