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六話~忘れと憶えの違い~ ページ7

でも、あそこに帰る他の価値はなく、あそこは僕の帰る場所じゃない



なら………なら僕はいったい今まで何処にいたんだ?






僕の空白の時間の間、僕は何処にいた?







敦と出会う前……川に流される前、僕は何処にいたっけ?






んー……駄目だなぁ、全く思い出せない







あれぇ?……えぇっと………んん??









………そう言えば、僕のこの空白の記憶





どちらかと言えばこの感覚記憶喪失じゃあないんだよねぇ




記憶喪失は霧がかかったかのようなモヤモヤな感じで脳が起こす回避行動の一つだって先生が言っていた







僕のはそんなんじゃなくて






こう、なんかもっと……カパッ?いやガバッ?かな……





まぁそんな感じで霞の様な空白じゃなくて、まるで記憶と記憶の間に分厚くて固い壁があるような




何かに綺麗に遮られて型をとられたかの様な








んー……









あっそうだ、簡単に言っちゃえばクッキーの型どりだ






型抜かれた生地の、あの空白部分







あれが僕の覚えてない記憶







そうだ





僕は"忘れた"んじゃなくて"憶えてない"んだ









だから、僕が川を流れる前は憶えてる筈なんだ







思い出せー…思い出せー………









中島「えっ!!?!」




貴女「うわっ?!」








敦の大きな声により集中の糸が千切れた





あー…吃驚した、うわっ心臓バックンバックン言ってる……






というか、何で三人は場所移動してるの?





太宰サンは僕の隣に座ってるの?







………どういう状況?









太宰「君が人食い虎に狙われているのなら好都合だ」





中島「はぁ?」







太宰「虎探しを手伝ってくれ給え」







中島「嫌ですよ!!?」







拒否した敦に目もくれず隣に座る太宰サンは胸ポケットから何かの紙を取り出し国木田さんに渡した






ん?えっ?







太宰「国木田君は社に戻ってこのメモを社長に」




国木田「おい待て、三人だけで捕まえる気か?まずは情報の裏をとって……」







太宰「いいから」





国木田「………」









えっ?三人…僕も?てか何のこと?

七話~包帯人間二人と妥協~→←五話~帰る他の価値はない~



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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2020年1月15日 1時

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