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「きょ、今日もですか?」
「そ、きょーも!」



















数日後。
あの事件があってからというもの、
一方的に北山さんと話すのが気まずく感じていた。

でもそんな事知りもしない北山さんは
今日もチャラみつ全開で私を誘う。



















「いつもんとこで待ってるかんなー。」
「そ、そんなぁ…」



















“ いつものとこ ”というのは
あの公園のこと。
今日は裕太が来てないことをいい事に
遠慮なしに約束をした。(半ば強引)







































「お疲れ様でした〜」









バイト終わり、店を出て
無意識にあの公園に向かっている私がいた。
それだけこの行動が習慣になっているのだ。



















「おっ来た来た」
「んー寒い。随分冷えるようになりましたねぇ」
「はい、手袋かたっぽ貸してやるよ」



















ブランコに座る北山の隣に
私も腰掛ける。
はい、と渡された片方の手袋。
それを左手にはめると
まだ北山さんの温もりが感じられた。

あの事件があって私的に気まずいはずのこの空間。
でも不思議とそんなことは感じなかった。









「あーあ。手袋はめてない手が冷てえなぁ。」
「なんですか、貸してくれたのは北山さんじゃないですか。じゃあ返しますよ、」
「ふはっ、やっぱAちゃん鈍感だな」



















目尻をくしゃっとさせて笑った北山さん。
その姿にきゅんときた。
って、そんな場合じゃない。
鈍感?なにそれ。









「恋愛豊富な女ならここで手袋はめてない手を濃厚に絡めて来るんだけど。」
「なっ、変態!」









また無邪気に笑う北山さん。
なんだそう言うことか。
やっぱり北山さんは恋愛上級者の脳を持っている。









「まっ、んな事したら玉ちゃんに怒られるか」
「それに北山さんは彼女さん怒られますよ」



















一瞬の沈黙。
ここでハッとする私。
私は自分で地雷を踏んでしまった。
最悪。思い出したくなかったのに。

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作者名:たゃん | 作成日時:2017年11月14日 16時

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