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「お兄ちゃんっごめんっ…！」
「さーせん、こんな時間まで。」
･
家のインターフォンを鳴らすと
バタバタと駆け足で出てきたお兄ちゃん。
私の隣にいる北山さんを見て
1度ギョッとしたけど
状況を伝えると
呆れたようにため息をついた。
･
「はぁ…連絡くらいしろよな」
「ごめん…」
「すいません送ってきて貰って」
「いいんすよ、元はといえば俺が悪いんだし」
･
さっきのチャラい北山さんとは違う
大人な顔。
北山さんもこんな顔するんだって
別の顔が知れて嬉しい。
「じゃ、俺帰りますね」
「あっ北山さん、」
「ん？」
「…ありがとうございました」
･
いや悪いのは北山さんなんだけど
付き合っちゃったのも私だし
家遠いかもしれないのに
ここまで送ってきてくれた北山さんに
しっかりお礼をする。
私の横でお兄ちゃんも頭を下げた。
･
「俺もごめんね〜、じゃーねAちゃん」
ひらひらと手を振って
暗い道へと消えた北山さん。
･
「ばか、」
「っいた！」
北山さんがいなくなったと思ったら
急に態度が変わって
デコピンしてきたお兄ちゃん。
その顔はだいぶお怒りのよう。
「お前も20歳なんだからいい事と悪い事の区別くらいしろよ」
「…ごめんって言ったじゃーん」
20歳なんだから夜遅くまで出歩いたっていいじゃん
と心の中でお兄ちゃんに反抗してみたり。
暖かい部屋に入ると
“ ふぁーねむ、”ってあくびをするお兄ちゃん。
私のために遅くまで起きててくれたんだ。
感謝しておこう。
「これからはちゃんと連絡すること。分かった？」
「はい、…お兄様。」
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作者名：たゃん
| 作成日時：2017年11月14日 16時
