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「北山さん帰らなくて大丈夫なんですか?」
「んー?俺はいいんだよ。
家帰ったって誰もいねーし。」

「そうなんですね、」
「Aちゃんこそ大丈夫なのかよー。」

「へ?」
「もう日付変わっちゃってるよーん」









ほら、とケータイの画面を見せてくる北山さん。
北山さんと話し込んでいたら
いつの間にかもう1時前。

やばいと思った時にはもう遅い。
首に冷や汗が垂れた。



















「ふぁー、ねみー。」
「やばい…お兄ちゃんに怒られる…!」



















自分のケータイをチェックすると
お兄ちゃんからの着信が沢山入っていた。

“ バイト終わった? ”
“ なにしてるの? ”
と束縛強めの彼氏みたいなメールも沢山。



















「やっばぁ…帰らなきゃっ」
「んぁ?1人で帰んの?」



















ガバッと立ち上がると
眠そうな目を擦って私を見上げる北山さん。
すると“ んしょ、 ”って立ち上がって
私のケータイを手に取った。



















「俺が電話してやろうか?
迎えに来てやってくださいーって。」
「北山さんが電話したら勘違いされます。」
「じゃあAちゃんが電話しなよー。」



















“ どーすんのー、 ”って首を傾げて
あざとい北山さん。
私は北山さんの手からケータイを取り返した。









「1人で帰れますっ」
「へぇ、こんな暗いのに?」
「べっ別に大丈夫ですけど!」
「ばーか、俺が許さないっつーの。」









そう言って私の頭をぽんぽんってした。
…まただ、北山さんにこうやってされるのは2回目。
ちょっと顔が赤くなるのも2回目。









「家近いの?」
「…遠くはないです」
「じゃあ送ってってやるかぁ」









“ ほら行こ ”って優しく言われて
渋々歩きだした私。

その横で“ やっぱさみー、”ってぽっけに手を入れて
鼻の頭を赤くした北山さんに
ちょっとキュンとしたのは私だけの秘密。

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作者名:たゃん | 作成日時:2017年11月14日 16時

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