一妻多夫生活。【短編集】

アルバム【ht・gr】 ページ12

you side

そういえば、彼らと出会ったのは高校生の時だったな、と思い出し、今日の私のお世話係のグルさんとらんらんに、一緒に高校の卒アルを見ようと誘ってみたら、

gr「想い出なんて所詮過去話じゃないか…見てなんの意味があるのだ？」

ht「Aは昔の方が楽しかったの？」

などと聞かれ、迂闊にアルバムが見れない空気を作ってしまった。

『…そんなんじゃない…けど…』

ht「とりあえず、ご飯食べよう」

とらんらんが作ったというご飯を頂く。

やっぱり気になるな、アルバム。
二人が寝てる間に探すことを決意した。
生憎、私の部屋にある訳では無いので、二人の監視外の時間で探し出す必要がある。

『…いない…よね…？』

携帯の僅かな灯りを頼りに、リビングを隅々まで探すと、アルバムらしきものを見つけた。

『あ…った…』

久しぶりに見た高校の卒アル。
心の興奮が止まらないあまり、声がでてしまう。

『あ！この子今何してるかなー…？』

なんて、高三の時の別のクラスの個人写真を見ていると、

gr「んぅ…起きているのか…？」

まずい。グルさんが起きてきたではないか。

グルさんにバレないように、アルバムを部屋に持ち込む。

無事に持ち込みが成功し、ベッドで高校生活を振り返ろうと次のページをめくると

『…なに…っこれ…』

私の高三のクラスの男子の個人写真が、同居してる人たちを除き、刃物か何かで切り裂かれたような跡があった。

ht「あーあ、見ちゃったのね？」

驚いていると、らんらんが私の部屋のドアを押さえて立っていた。

gr「ああ、やっぱりAだったか。そんな感じがしたんだよ」

そして、

ht「アルバム、預かるよ？」

gr「早く渡すんだ」

そう言って、私にアルバムを返すように促す二人。

私的には是非とも返したくない。

さて、どうしようかな…

アルバム【新旧詐欺師】→←考え事【旧海賊】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す