□25話 憤怒と嫉妬 ページ29
【syp side】
今日は一段と疲れた
そう思いながら、俺はベッドに寝転がる
『…まさか…あの人達と接点持つとは思わんわ………』
昼休み、俺は橙木がいつも弁当を食べている所とやらに連れて行って貰った
少し歩いて着いたのは校舎裏の庭園
手入れなんてされてないから普段は誰も寄りつこうとしない
橙木はいつもそこで食べてると言う
木がいい感じに影を作ってくれているから案外心地良かった
でも、俺はすぐに驚く
少し奥に進んで死角になっている場所
そこには木製の机と椅子が並べられていて、明らかに普段から使われている感じが滲み出ていた
こんな場所があったのか…
そう思いたいのに、その前に別の情景が目に飛び込んできてしまう
「おぉ、そいつが噂の１年か？」
数時間は経っていると言うのに未だ耳に残るあのバリトンボイス
入学時に聞いたあの声
生徒会長、黒崎優
その周りには生徒会員の面々
赤松屯、深緑慎、茶薄智、
計４人の先輩
そして、その後で２名他の方も遅れてきた
驚きと共に、自分とは差のありすぎるこの人達と関わるという面倒くささが思考の端にこびりつく
名前だけでなく、一目で分かってしまった
その理由にさえ頭を抱えたくなる
まぁ…そんな事はさて置き、橙木に言われて自己紹介をし、成り行きで昼食を共にした上、連絡先交換をしてしまったのだ…
なるべく目立ちたくないのに……
てか、橙木ってどんな人脈持ってるんだよ…
先輩達と気さくに話してたし…
そんな今日の衝撃的な事を簡単に思い出しながら、交換した連絡先を見る
本当に追加されたあの人達の名前
スマホの画面と睨めっこをする俺
『…実感湧かん………』
そうボソッと呟いた時、ピコンッとメッセージの着信音が鳴った
誰だろう……
特に重要のないメッセージなら未読にしようと友達欄をスクロールしていく
そして、メッセージを送ってきた相手の名前を見て、無意識にトーク欄を開いた
zmAの唇もーらい
『…？！…あんの
さっきまで力のなかった身体が一気に熱くなる
前ので懲りてないんか？！
俺、言うたよな？！
Aさんの気持ち考えろって……
いや…もしかしたら…
『クソッ……クソッ…！！！』
枕に顔を沈めて叫ぶ俺
分からん……嘘としか信じたくない……
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作者名：氷華 璃瑠、向日葵 x他2人 | 作者ホームページ：http://https://mobile.twitter.com/K_hyoukariru
作成日時：2019年10月13日 16時
