【wrwrd!】私に好きを求むなら (ページ27)

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□23話　不満しかないページ27

【syp side】

(沖縄…か……)

授業中、一番後ろで端の席

静かに机にひっ潰れる自分

無意識に膨れる自らの両頬は、まるで幼稚園児ぐらいの子供が拗ねた時にする行動に似ている

そんな事を自覚しながら、誰にも見えない程度にその行動を継続する１日

俺の中では拗ねていること自体に否定はない

実際拗ねている

(恋敵(アイツ)とAさん…修学旅行とはいえ……旅行なんて………)

もしその場に自分がいるとこができるならどんなに良いことか

普段から同中の後輩という名目ありきでAさんと絡んでるものの、今ばかりは自分の年齢を恨む他ない

chi「おーい、紫倉！
昼飯食べようぜ！」

何故かキメ顔をして声をかけてくる橙木

『……ええよ……』

chi「やったね！
それじゃあ、俺がいつも食べてる所へ！」

やけにテンション高いな…

そう思いながら、俺は弁当を持って席を立った

その時、

「ねぇ、ちょっと！」

後ろから女子の声がした

俺か…？と思うものの、間違えていた場合を考えると振り返る気にはならなかった

「ねぇ、聞こえてる？
紫倉君？」

あ、俺だったのか

声の主が名前を呼んでくれた事で、ようやく自分に向けられた呼びかけだったと分かった

俺は後ろに向いた

そこには2人組みの女子

1人はさっき俺を呼んでいた人なのか、声の特徴とその姿がなんとなく一致する

もう1人の方は……

女子2「ねぇ、お昼私たちと一緒に食べない？」

ニコッと笑顔を貼りつけてそう誘いをかけてくる女子

いきなりなんだよ…

ふともう1人の女子の方を見る

俺の視線に気がついたのか、そっちの女子は俯いて何かモジモジとし始めた

うわぁ……

ここで俺は中学の時を思い出した

この手のタイプに何度、

自らの恋路を邪魔されたのかを

そりゃ、人の気持ちを踏みにじるのは良い気分じゃない

でも、あやふやにして、また恋路を邪魔されてはたまったもんじゃない

『俺、コイツと食べるから無理』

「そんな事言わないでさ！
４人で食べよ？」

『名前も知らない人と食べても何もないでしょ
そっちは女子同士、こっちは男子同士、話の弾む仲で食べりゃ済む話だと思いますよ
ほら、橙木行こ』

chi「え、あ、おん」

戸惑う橙木の腕を掴んで教室を出た

chi「お前、ほんまにあの先輩以外の女子に興味ないみたいやな
せっかく、１年で一番可愛いって言われてる子と食べるチャンスやったのに………」