□14話 回想と悪夢 ページ17
【syp side】
＿えっ、えっ？！
何っ？！
どうしたのっ？！＿
…え…？
どうして…Aさんが…？
目の前には、驚いたように俺を見るAさん。
ここは…？
辺りを見渡せば、そこは懐かしい場所。
Aさんが卒業して、
会う事もなくなって、
面影を求めてしまうのが嫌で、
通わなくなった中学校の図書室
夢…？
ふと、自分の身体を見てみれば中学時代の制服を着ている
それに関してはAさんも同じだ
＿…え…追われてるって……
…っ…！
……こっちっ…！＿
そう言って、俺の腕を引くAさん
この場面は…
Aさんと初めて話した時の…？
確かあの時は女子に追われてて…
状況を説明して…
勢い良く手を引かれて…
反射的に机を飛び越えて…
＿ほら、隠れてて！＿
その机の下に隠されたっけ…
後から俺を追いかけてきた女子を追い払ってくれて…
＿人気者は大変だね〜
こんなとこに押し込んじゃってごめんね？
ほら、立てる？＿
そんなことを言いながら笑って、手を差し出してくるAさん
他の女子とは違う
そう思った瞬間、笑顔が脳裏に焼き付いて離れなくなってしまった
俺は、あの時と同じようにその手を取ろうとした
でも、Aさんの手は俺の手が触れる前に消えてしまった
周りの風景もそれに伴ってパッと変わる
周りは黒に近い灰色に包まれていて、どこが端か分からない
＿しょー君！＿
背後からAさんの声が聞こえた
後ろに振り返れば、Aさんの状況に息を飲んだ
どうして…Aさんと…
腕を組んでいるんだ……？
＿しょー君に言いたいことがあるの！
私、望と付き合う事にしたんだ！＿
更にその身体を先輩に密着させるAさん
＿Aはもう俺のだからな？
お前との張り合い、結構楽しかったぜ？＿
嘲笑うような声が俺の胸を抉るように染み込んでくる
違うっ…違うっ…！
そんなわけっ…！
Aさんが
２人の顔には影がかかって表情は見えない
＿じゃあね、しょー君！＿
A…さん…？
『…っ…待って下さい……！』
勢い良く身体を起こす
『……っ…』
俺がいるのは、薄暗い自分の部屋
『……そうだった………ただの夢だ…』
メッセージを送った後、横になったんだった…
それにしても……
『嫌な夢だった………』
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作者名：氷華 璃瑠、向日葵 x他2人 | 作者ホームページ：http://https://mobile.twitter.com/K_hyoukariru
作成日時：2019年10月13日 16時
