【wrwrd!】私に好きを求むなら (ページ11)

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□8話俺と貴方とページ11

【syp side】

想いを寄せる相手に認識して貰えた

その人の周りの男よりも親密さを確認できた

その２つが、俺にとってどんなに嬉しい事か

昨日Aさんと帰るとき、少し探りを入れた。

それは、好きな人、または恋人はいるかという事。

Aさんは嘘をつくのが下手なタイプで、どちらも否定をしたその様子にホッとした。

いない、という事はまだまだ可能性がある。

可能性、よりは確実の方が良いけれど……

＿しょー君！＿

脳裏に、あの笑顔と声がよぎる

早くこの想いを伝えたい

そんな気持ちをグッとこらえて、俺は放課後を待つ

Aさんと一緒に帰る事ができる。

子供みたいな理由だが、それでもワクワクしてしまう自分がいた。

＿なんやお前＿

『…っ……………』

ふと、あの先輩を思い出した。

あの人…厄介だろうなぁ……

勿論、Aさんを取られる気はさらさらない。

ただ…

『……どうしよ…』

邪魔されるのは面倒だ＿＿＿＿

【you side】

＿先輩、明日も一緒に帰りましょう＿

昨日、そう言って微笑むしょー君に私は頷いた。

しょー君と帰るの楽しみだなぁ～

早く放課後にならないかなぁ～

何を話そう？

高校での事？中学での思い出話？

それとも……

そんな事を考えていると、気づけば放課後になっていた。

時間が経つのは早いなぁ、と呑気に考えていればトントンッと後ろから肩を軽く叩かれる。

『…はい？』

振り向けば、翠川君が立っていた。

zm「…一緒に帰ろ」

昨日より、少し控えめな感じで話しかけてきた翠川君。

どうしたんだろう？何かあったのかな？

『えっ……あー……』

しょー君と約束してるしどうしよう…

……まぁ、３人で帰ればいっか！

『しょー君と帰る約束してるんだけど、それでも良いかな？』

と、尋ねれば少し怒ったような表情を見せる翠川君。

zm「…いや、むしろ一緒に帰るわ」

『？…そう？
じゃあ、靴箱行こ？
他の人達は…』

zm「用事あるってさ」

『そっか
それじゃあ行こっk(((』

キンコンカンコーンと、私の言葉を遮るように放送のチャイムが鳴る

《図書委員の皆さんは、至急に図書室へと集合してください、繰り返します＿＿＿＿＿》

『え、あ、私図書委員だ！
ごめんっ、先行ってしょー君と待ってて！
なんの用事だろう…
終わったらすぐ行くから！』

zm「えっ、あっ、分かった…」