99話 ページ21
「なんか…よく分からないんだよな。
こう、モヤモヤするというか…」
『ええ…難しいな。』
「でも別に、今は落ちつくんだよな。」
『うーん？』
そう言われても。
何に悩んでいるのか全くわからない。
「まあいいか。
なんかあーちゃんのところにきたらどうでも良くなった。」
『そう…
それなら、良いんだけど…』
ご飯待ってる。
そう言ってキッチンから出ていくきーくんは、もういつものきーくんに戻っていた。
よく分からないって。
私の方がわからないよ。
私の頭にはハテナマークが浮かんだまま。
…まあ、何がともあれ。
元気ならそれで良いんだけどね。
暫くしてハンバーグが良い感じに煮込まれ始めた頃、またキッチンに向かってくる足音が聞こえてきた。
振り返って向かって来ていたその人の姿を確認すれば、意外にも今度は王子が顔を見せている。
中に入ってきて私の隣に立つと王子は私の顔覗き込み、「ねぇ、」と話し出す。
「ハイジさん、上機嫌だっけど何かしたの？」
『は…？』
突然聞かれた王子からのその問。
鍋の様子を見ていた私は思わずその視線を王子に向ける。
菜箸を持ってしっかりつまみ食いをしている王子に呆れながらも私はさっきの状況を頭に思い描いた。
特に変わったことは…
何もしてないよね。
相談に乗った訳でもないし。
ちょっとだけ話したくらい。
『なにも…してないけど？』
「そう…
まあなんでもいいけど。」
あ、美味しい。
そういってまた摘もうとする王子の手を今度は制止してみんなを呼んでくるように言う。
キッチンから気怠そうに出て行く王子を見送ってお皿の用意を始めた。
きーくんが、上機嫌。
私は何も…してないよね？
キッチンから皆のところに戻る途中に誰かから嬉しい連絡が来たのかもしれないし。
…まあなんでもいいか。
なんだかよく分からない1日だった。
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マナミ(プロフ) - 面白いです！主人公が灰二さんにベッタリとか好き！ユキ君達との仲の良さ、王子も相談に乗ったりで素敵！灰二さん、主人公の気持ちに…困ってる不安も気づくべき！ユキ君達も主人公に惹かれt((更新頑張って下さいね！無理はしないで下さいね… (2020年7月31日 2時) (
レス) id: f5569c460a (このIDを非表示/違反報告)
采音(プロフ) - 続き気になります！ゆっくり更新していただけたらいいなぁって思っています！ (2020年6月28日 7時) (レス) id: 93bfdfd3ea (このIDを非表示/違反報告)
りんね - とっても面白いです！ (2020年3月18日 16時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年9月26日 0時
