呪言 (ページ9) - 小説/夢小説

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第74話ページ9

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飯田はヒーロー殺しを真っ直ぐ見た。

そこに憎しみは有るけれどそれは正しく英雄の目。

飯田「─── 俺が折れれば、インゲニウムは死んでしまう！」

ステイン「論外！」

轟は後ろにいる調月を見る。

腕の出血が酷い。

プロヒーローが逃げろと言うがそんな隙を与えてくれないのがヒーロー殺しだ。

もし後ろにいる調月を狙われたら終わる。

飯田「轟君！温度の調整は可能なのか！」

轟「左はまだ慣れねぇ！何でだ！？」

飯田「俺の足を凍らせてくれ！
排気筒は塞がずにな！」

ステイン「邪魔だ！」

轟を狙ったナイフを飯田が全て腕で庇う。

ただ刺さったままなので舐められる心配は無い。

心配する轟に速く凍らせるようにと急かす飯田。

A「⋯⋯ “動くな” ⋯⋯!!!」

飯田「レシプロ⋯エクステンド!!!!」

緑谷「ワン・フォー・オール⋯フルカウル!!!」

宙で動きを止められたヒーロー殺しに向かう飯田と緑谷。

モロに二人の攻撃を食らうヒーロー殺しに轟は口角を上げた。

飯田「お前を倒そう！今度は犯罪者として！」

轟「畳み掛けろ！！」

飯田「ヒーローとして!!!」

調月は氷の上で気絶しているヒーロー殺しを見た。

咳をすれば吐血してしまい、腕も痛くなる。

割と深く入り込んだ刃は相当に痛い。

緑谷「流石に気絶してる⋯っぽい」

轟「じゃあ拘束して通りに出よう。
何か縛れるもんは⋯」

緑谷「念の為武器は全部外しておこう。
僕がやるから轟くんは調月さんを⋯。
⋯⋯調月さんッ！？」

緑谷が調月を見れば調月の周りには血。

喉が痛いのか、はたまた腕の出血か。

プロヒーローがヤバいぞと言っている最中轟は調月に近付く。

轟「調月！！聞こえるか！調月！」

A『聞こえる。ポシェットの中から、のど飴』

こういう時に機械は楽だと調月は思う。

轟はポシェットの中を漁り、りんご味ののど飴を取り出す。

それに袋を開けて腕が使えない調月の為に口に放り込んであげる。

調月は辛そうにのど飴を舐めていた。