呪言 (ページ10) - 小説/夢小説

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第75話ページ10

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轟が調月を心配そうに見詰める中、ヒーロー殺しを縄で括った緑谷にも限界が来ているのでプロヒーローが緑谷をおぶる。

それではヒーロー殺しを引くのは誰になるのかという話だがこの中で一番傷が無いのは轟のみ。

ただ調月を歩かせる訳にも⋯と思っていたが調月はすんなりと立ち轟にヒーロー殺しを見て目配せした。

A『私は大丈夫。あの血もほぼ個性の反動。
足は問題ない』

轟「だが⋯⋯」

A『起きたら分が悪い。
速くヒーローの居る通りに出ないと帰って危ない。
轟、貴方しかいない』

調月の言葉に轟は渋々頷きヒーロー殺しを引き摺る。

話しながら通りに出れば調月はもう一度今度は空いている左手でポシェットを漁り器用に口に青リンゴ味ののど飴を放り込む。

「な、何故お前がここに⋯⋯！」

緑谷「グラントリノ！グラントリ⋯⋯」

グラントリノ「新幹線で座ってろっつったろ！」

グラントリノは飛び上がり緑谷の顔を蹴る。

緑谷の職場体験先の担当ヒーローグラントリノ。

緑谷「でも、何で？」

グラントリノ「行成ここに行けと言われてな。
まあよう分からんが、取り敢えず無事なら良かった」

緑谷「グラントリノ、ごめんなさい」

他のプロヒーローが駆けつけ、警察と救急車を呼ぶ。

調月は建物に寄り掛かりその光景を見ていた。

飯田「三人とも、僕のせいで傷を負わせた！
本当にすまなかった！
怒りで何も⋯見えなく⋯⋯なってしまっていた！」

緑谷「僕もごめんね。
君があそこまで追い詰めていたのに全然見えてなかったんだ。友達なのに」

轟「しっかりしてくれよ。委員長だろ？」

A『そういう時はごめんよりありがとうが聞きたい』

調月は音声読み上げ機能を使って言う。

飯田は涙を拭い「ありがとう！」と叫んだ。

ヒーロー殺しとの戦いは時間でいえばほんの10分くらいだったと思う。

けれど物凄く長い戦いのように感じ⋯。

グラントリノ「なっ！伏せろ！！」

「ヴィラン！」

羽のある脳無は緑谷を掴み上空へと飛んで行く。

調月は個性を使おうとするも矢張り喉が痛む。

絶体絶命。